エイミー・アッシュベリー
◆陣営:Evil
◆名前:エイミー・アッシュベリー
◆性別:女
◆年齢:10
◆身長:132cm
◆ステータス
【HP*/1(+43)、攻撃/5(-4)、魔適/10(+5)、耐久/6(-5)、魔耐/10(-1)、敏捷/10(+20)】
◆装着スキル / SP : 300(+470)
◆
個人ページ
「不思議ね。分からない事を全て、そんな言葉で片付けてしまえるのよ」
陽に透けるような細く美しい蜂蜜色の髪に、
苺を甘く煮詰めたような紅色の…いいえ、
天上より差し込む陽光のような眩い黄金色の瞳を持つ。
額の頂点に大きな赤のリボンを飾り、
黒と赤を基調としたシックなミニドレスを身に纏う。
”知らない”事を、知りたいの。
好奇心旺盛で人懐こく、何処か固い価値観を持ち、
見掛けの少女らしさとは裏腹に多少大人びた側面を持つ。
其れでも、やはり子供で。業突く張りな面も。
基本的には、優しく清らかな少女だ。
タルトケーキが大好きで、
料理をする事と洋服を畳むのだけは苦手な様子。
記憶を失っている事に関しては、酷く恐れている。
自分が分からないという事が、
これ程迄に不安になるだなんて、知らなかったの。
思い出せるものなら、何であれ早く取り戻したい。
どうか、思い出さないで。
◆返還記憶---
舌の上で蕩ける苺タルトに、可愛らしい女の子のドレス…。
幼心をくすぐられるようなキラキラした星の宝石に、色とりどりの美しい絵画…。
「デザートはちょっと惜しいけれど、私、そのどれもが一番じゃないの」
指を絡めて、白いシーツを被って。
眠りを妨げる大きな音も鈍色の泣きそうな空も、何処か遠くにやってしまうの。
微睡みの中で聴こえるのは、寝入る吐息と、
鼓動、掌から伝わるあたたかな体温だけでいい。
でも、ああ、どうしましょう。
夢の中へ入る時、あなたの名前を忘れてしまったんだわ。
ねえ、ねえ、あなたはだあれ?
あのね、私はね、『 』って言うのよ。
……なくしてしまったどれもが、甘く優しい夢の中にあるみたい、ね。
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ぼくはいつまでも、甘い夢のなかにいる。
だれかがいつか、そう言った。
ぼくはそれを否定することなく、すばらしいことだと頷いた。
ぼくが夢をみているのなら、この夢のおわりがないのなら。
ぼくが抱くこの"愛"への恍惚、歓喜、それも永遠なのだろう?
ならば、目覚める必要もない。
この甘い夢の中、ずっと彷徨って、溺れていたいよ。
あなたはいつまでも、そうなのね。
そう言っただれかは、諦めたようにため息をついた。
……何故?ぼくはこんなにも満たされているのに。
何故、きみがぼくを見る瞳は、疑心と軽蔑を抱いているのだろう。
……何故?
街に響く怒声も、数が増えてきた。
私はストの隙間をかいくぐって、
店へ走り、朝と昼ごはんのパンをひとつ、林檎をひとつ買う。
店先に並ぶ商品もどんどん少なくなってきていて。
好きなものも、もうどれだけ食べていないだろう……。
それから、教会の方達が行っている炊き出しの方へ足を向ける。
そんなに遠くない筈なのに、
向かう道すがらで目にするものだから、何だかとても疲れてしまった。
みんな、"生贄"を捜しているみたい。
自分達の怒りを、哀しみをぶつける先を探しているんだわ。
あなたが睨むその人は、大切な愛すべき隣人だというのに。
……戦争をしてでも生みたいものなんて、一体、何なのかしら。
私の逃げる道を留めようと生える茨、その棘で切り裂かれた足が、痛くて、痛くて、
芽生える痛覚に翻弄されながら、私は涙を流す。
無機質な声があちらこちらから聞こえてくる。もう、逃げ場なんてないんだ。
私の行くところなんて、私の止まり木なんて、何処にも無くなってしまった。
ていのいい生贄だ。
どうして?どうしてこうなった?ただ、私は"思ったことを言っただけ"なのに!
何がいけなかったというの?誰も教えてくれないのはどうして?
わからない、わからない、わからない!!
流す血に耐えられず、ぐらりと、揺れた身体は、
足を踏み外して、
どこまでも、落ちていく。落ちていく。
私の、白い羽を、返して。
私は、わたしは、どこにいくの?
愛しているわ、私、××を、あなたを愛してしまったの。
だから、お願い、やめてちょうだい。
此処に留まるなんて、そんな事を考えないで、もう逃げて。
私なんてどうだっていいじゃない、最初から、私は××失格だったんだわ。
此の家になんて、もう誰も帰って来れやしない。
もし万が一帰って来れたとして、あなたが死んでしまったらどうしろというの?
あなたが××として害されるなんて、そんな姿を見せてたまるものですか。
お願いよ、私のお願いなの。愛しいエイミー。
私なんて放って、街から逃げてよ、エイミー。
私の前から、消えてちょうだいよ。
そう、掠れる声で泣いた××の手は、言葉とは裏腹に、私をしっかりと抱き締めていた。
「…ああ、ディアフレンド」
「大丈夫よ、大丈夫」
優しく背を撫でてやる。
さぁ、笑って。笑ってちょうだい、…ね?
あなたを××になんて、させやしないんだから。
愛しいという心を知った。
愛したいという切望を知った。
私は、只思い通りに動く"指先"であるべきだったのに。
もう、何も知らない空へは帰れない。
悪魔ばかり狡いわ、狡いわ、私達はこの気持ちを制御する術を持たないというのに!!
愛しているわ、私、人間を、あなたを愛してしまったの。
だから、お願い、私を庇わないで……逃げて、エイミー。
消えてほしくないんだから、私の前から、消えてちょうだいよ。
あなたは魔女なんかじゃない。ただの、そう、ただの…、心から優しい女の子なのよ。
淡く緑がかった白のふんわりとしたショートヘア、
銀縁の丸メガネの向こうで赤く色づいた瞳。
何処を見ても本が見える、大きな図書館の中で出会った彼。
尋ねれば、嬉しそうに【本】を語ってくれるあなたの表情をじっと見ていた。
"勤勉"の魔女、エクレールのことを記憶に留めます。
「必ずまた、会いに行くわ!」