守釣 花
◆陣営:Evil
◆名前:守釣 花 (かみつれ はな)
◆性別:男
◆年齢:26
◆身長:172cm
◆ステータス
【HP/8(+10)、攻撃/9(+20)、魔適/9(+1)、耐久/1(+4)、魔耐/2、敏捷/1(+30)】
◆装着スキル / SP : 300(+400)
◆
個人ページ
ストレートの艶やかな短い黒髪に、薄く隈が除く黒の瞳。
細縁フレームの眼鏡をかけている(伊達ではない)。
落ち着いた雰囲気の割には洒落ている私服の上に白衣を羽織っている。
髪や服に煙草の臭いが染み付いている程のヘビースモーカー。
どちらかといえば細身の身体だが、中々に鍛えられているようだ。
性格は率直に言って下衆で屑。
人間としての良心の大部分をゴミ箱にぽいぽいしてる小悪党。
怒りっぽく、大体いつも機嫌が悪い。笑ったところなど見たことがない。
子供が嫌い、動物が嫌い、甘いものが嫌い、…花が嫌い。
嫌いなものに塗れた人生を我慢しているだけ。
生きていて何が楽しいのだろう?
"××××なければ、×××××など無いのに。"
記憶が無い?
知るかそんなの。
◆返還記憶---
笑う顔が、世界の誰よりも美しいひとだった。
あのひとが笑って喜んでくれるなら、と。
俺以外の兄弟達も、皆その為だけに必死で、あのひとに夢中だった。
……俺も例外には含まれない。
苗字という名の小さなコミュニティ、
「守釣」の中で、あのひとは確かに神と同等に並び立っていた。
教官、教官、守釣教官、お母さん、
また、頭を撫でて欲しい。
良くやったと、褒めてほしい。
必要としてほしい。
良い子だと認めてほしい。
兄弟達は互いに牽制し、挙ってそう騒ぎ立てる。
あのひとの腕は二本しかないから、独り占めも難しいから。
だから、あのひとを得るには蹴落とすしかなくて、
兄弟達は"そう"して競い合い育っていった。
…………、あのひとは、
どんな時でも、笑う顔が、世界で一番美しいんだ。
末の俺に手が届いた事なんて、一体何回あっただろうか?
それでも? ……それでも。
「…………あのひとに、もう一度、会いたい」
世界の全ては、あのひとでいい。
何の脈絡も無く、深夜に、甲高いサイレンの音で叩き起される。
閉じられたままの部屋の扉はロックが解除されることも無く、
こんな事態には流石の兄弟達も怯えたように身を固くしていた。
念の為にと、服を着替え、待機していれば、数分後にはサイレンが鳴り止む。
「……誤報?」
「んなわけねえだろ、この音、」
"脱走"だよ、と小さな声が部屋に響く。
え?兵隊が?なんで逃げんの?
俺が知るかよ。
意味が分かんねえな。
呼ばれる?
外迄行ける訳無いって。
ヒソヒソと、兄弟達が囁きあう。
……俺はその声をぼんやりと耳にしながら、部屋の壁に背を付けて、
何だか良く分からない怒りと苛立ちを抱いていたのを覚えている。
12歳の時だった。
翌朝、全隊の招集が掛かり、"上"からの説明が入った。
逃げ出したのは、"三日月切子"。
16世代の、現在の男性位第一位。俺と同じ12歳。
奴は何故か、この国から逃げ出した。……"逃げ延びやがった"。
追っ手として差し向けられた、同胞の子供達の、
無惨に切り裂かれ命が喪われた死体の片付けをやらされた。
何人も、何人も死んでいた。
仲間達のこんな景色を見るのは初めてで恐ろしかった。
「……狂ってやがる、」
自分と同じように死体を運んでいた誰かが、
痛ましそうに顔を顰めて、彼らの冷たい頬を撫でて泣いていた。
……三日月切子。どうして、第一位にもなれるような奴が、狂ったんだ?
意味が分からない。
垂れている血は、本当に嫌な匂いがした。
彼らの手の中、
当たり前のように配られるソレをいつも羨んでいた。
赤、桃、緑、茶に黒に白…。
ソレは本当に甘くて甘くて、美味しいものだと。
自慢するように目の前で食べられて、
俺がお零れに与れるのはその甘い香りだけ。
…良い子の、ご褒美。成績優秀者の証明。
甘いお菓子のチョコレート。
俺の手の中は、何時だって、
乾いて空っぽだったというのに。
其れは、ある日突然、"空"から落ちてきた。
伝承にあるように、中から外へは行けない代わりに外から中へは自由に侵入可能らしい。
計算されきった動きで、定められただろう場所へと落ちた其れは…外では、なんという名前なのだろう。
未知の技術の結晶が大事そうに乗せていたものは、物資でもウイルスでもなく、
光に照らされて明るく輝く水色の髪に、水色の瞳を持つ、一人の女の赤子だった。
恐る恐ると手に抱えた赤子は、…とても軽くて、仄かに暖かなもので。
何も知らない顔で、朗らかな声を出して、笑っていた。
識別名とは別に、個体名を「朝顔」と呼ぶ。