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透明な空の間
0.はじめに
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陣営:制限なし
推奨人数:1人
推奨スキル:制作_工作
時間:1時間程度
GMボーナス:スキルポイント30pt
ダンジョン「透」専用シナリオです。
探索のみのシナリオとなります。基本シナリオ失敗は無いと思われます。
同ダンジョンシナリオに行ったことがある場合は、その記憶がダンジョン内にて蘇ります。
◎制限時間はなし。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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1.シナリオクリア条件
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「空」を作り、完成させる。
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2.舞台情報
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『透(とおる)』
世界の一枚向こう側、認識できない壁の先。
世界中にある時間、時空の隙間に存在していて、時の干渉を受けない。
そこに住む者は皆、『透』と呼んでいる。
透明な壁、透明な床、どうやって造られたのか、人工物や自然など。
皆当たり前の顔をしているのに、意味や言葉は比喩ばかり。
※よくは分からない、世界のもう一つの側面のようなものです。
街がある。ビルの多い、綺麗な街。住人がいる、学校もある。
探索者がNPCと出会うのは、何処かのビルの一部屋だ。
世界を作っている創造主の部屋で、オモチャのような物が目に付く。外は夕方らしい。
他にも、洞窟がある。透のどこかから入り、別のどこかに出られる。
他の建物や、自然的な場所も当たり前のように存在している。
透を歩いていると、ぽっかり空いた穴が時折見つかる。
床だったり、建物だったり、人工物や地面に空いているようだ。
覗いても深淵、底が分からない闇、透の住人にとってそれだけの何か。
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3.NPC情報
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『"かみ"』
名前は「彩(さい)」というが、名乗ることはまずないだろう。
雲のようなふわふわとした白い髪、軽やかに広がる白い服。目は閉じていて、分からない。
白の中には、不思議と淡い七色が揺らめいている。
口を開けばほぼ一方的に喋っている、会話は成立しているようでしていない。
返答は頷き、首振り、頭傾げなどの動きで行う。
新しい世界を作っているようだが、どうやらそこから「空」が逃げ出してしまったらしい。
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4.シナリオの流れ把握(GM情報)
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NPCと空を作る、束の間のシナリオです。比喩要素を含みます。
探索者が導かれるまま窓の"一枚向こう"に落ちると、NPCの部屋にやってきます。
NPCは探索者に「空を作ってほしい」と頼むでしょう。
部屋の中にある水色の球体が惑星(仮)ですが、空は逃げ出してしまい、ありません。
"かみ"が空をイメージする絵の具やおもちゃ、道具を出してくれくれるので、
探索者はそれを使って「制作_工作」で自由に空を作ってみてください。
綺麗な空を生み出すのも、ふざけて面白おかしな空にしてみるのも、探索者次第でしょう。
空が出来上がり、朝になった所で帰還ができるようになります。
NPCは探索者の手を取り、作ってくれた空を探索者に渡すでしょう。
この空が報酬の素材アイテムとなります。
いなくなっていた空が戻ってきたところで、クリアです。
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5.導入
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探索者は自室にいる。ふと、風もないのにカーテンが大きく揺らめき出した。
視界いっぱいを埋め尽くしていたが、やがて大人しくなる。
カーテンの隙間から見える窓の景色は、"白"としか言えない程の空だった。
窓の外をしっかりと確認すると分かるだろう、
そこは木々も地面もない、雲の陰が漂うだけの、一面の白い空が広がっている。
空は窓の外で、探索者を待っているかのよう。
探索者が窓から降りると、雲に受け止められることもなく、いつまでも、落ちて、下りて、
……
※今回のダンジョンの入口は窓です。
※探索者が降りない場合、声や何らかのアクションで誘導しても良い。
※部屋から出て行こうとしても、ドアを開けた先も空だけが広がっている。
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6.出会い
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部屋だ。
目を開けた探索者は、まずそう認識するだろう。
白い部屋だ。綺麗で、無機質で、部屋としか言い表せない。
真っ先に目に入るのは、三色。
窓枠の向こうに広がっている、美しい夕空の色。
部屋の中央に存在する、球体の水の色。
座りこんだポーズの、"誰か"に揺らめく淡い七色。
そして、もう一か所。
探索者は白の中に転がる、沢山のキューブに気付くだろう。
球体を囲み、"誰か"の支えにもなっている。
NPCが与えられる情報は以下の通り。(会話は成立しているようでしていない)
・空が逃げてしまった。
・私は"かみ"と呼ばれる者で、世界を作っている。
けれど、作っている世界から空がいなくなってしまった。
・何かの縁だ、其方に空を作ってもらいたい。
其方の空を見てみたい、どうだろうか?
返答は頷き、首振り、頭傾げなどの動きで行う。
"かみ"が手をかざせば、ぱらぱら小雨のように物が降ってくる。
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7.空を生む
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『空の材料』
・絵の具……赤、橙、黄、緑、水、青、紫、白、黒
・ビーズ……雨粒の雫、雷の稲妻、雪の結晶、星々、太陽、月
・綿……もくもく、ぐるぐる
・布……ふんわりとしたオーロラ
・道具……パレット、筆、籠、金槌
"かみ"は球体に手を伸ばす。
ゆっくりと、スロー再生のように、指先が表面に沈み、波紋を広げながら呑まれていく。
お手本のように綿を入れて、放せば、綿は落ちることなく漂い。
"かみ"が綿を掴み、手と共に引き抜けば、空っぽに元通りだ。
色の混ぜ方、塗り方、ビーズの散りばめ方、砕き方など、
様々な工程で「制作_工作」を振ってみましょう。RPによっては補正が発生します。
失敗してしまった場合は、"かみ"が補助してみたり、
一瞬で戻してやり直しさせてあげたりしてみてください。
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8.帰還
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ふと、"かみ"が言う。空が還ってきたと。
まるで探索者を導くかのように、窓辺から朝日が差す。
其方も行かなければならないのだろう、
そう告げて、探索者の手を取る。人らしからぬ、空気に触れたかのような感覚。
探索者の掌に落ちてきたのは、探索者の空が流れる硝子玉だ。
其方の世界を、大切に。
ふと、背後から、意識の外側から、声が聞こえた。
"お帰り、空"
空は探索者に近付いた。
・・・
・・
・
探索者は窓の傍で目を覚ます。
窓の一枚向こう側には、透き通った空が広がっている。
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9.クリア後
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●PL報酬
素材アイテム:硝子玉に入った空
好きな名前、好きなフレーバーをGMが考えます。
制作_工作が全て成功した場合……強力な素材になるだろう。
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