注文の多いお客様
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陣営:制限なし
推奨人数:2〜3人
推奨スキル:制作_料理(上限60)、(PCの好奇/親切心)
準推奨スキル:制作_絵(上限60)、制作_工作(上限60)、剣術
非推奨スキル/アイテム:戦闘系スキル、武器系アイテム
時間:4〜6時間程度
GMボーナス:ステータス上昇5pt or スキルポイント50pt(※3回まで受取可)
ダンジョン「秋の彩り」専用のシナリオです。
探索のみで、戦闘はありません。
お客様、お客様、本日は何をお召し上がりになられますか?
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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下っ端見習いと共に料理を作り、店を閉める時間までお客様に料理を提供する。
何度も注文を間違えてお客様を不愉快にさせたり、
お客様に暴行を振るうようなことがあれば、にゃーにゃー泣く子猫達の口論の中、
探索者は頭が強く痛み始め、目の前が真っ暗になるような感覚のあと、
夢から覚めるかのように、動悸と頭痛を伴い自室で目が覚めることだろう。
シナリオクリア失敗となります。
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開店の日をようやく迎えた、
「Persian cat restaurant」という看板を掲げた小さなレストラン。
従業員は全てペルシャ猫のようだ、礼儀正しく楽しく、満開笑顔をモットーに。
「Persian cat restaurant」の従業員は全て白毛のペルシャ猫。
下っ端見習いは、まだキッチンに立つことは許されて居ない、小さな子猫達だ。
皆少しずつ個性があるようだが、よーく見ないと分からないかもしれない。
身長は60〜70cmくらいだろう。二足歩行できます。
と、いうのも背がまだ低く、キッチンに(物理的に届かず)立てないんだにゃあ。
尚、今回コックは全てニャンフルエンザにかかってしまい全滅(自宅待機)している。
ニャンフルエンザは人で言うインフルエンザのような流行病なのだとか。
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探索者は木の葉風に巻かれて次に目を開けたとき、
秋色の森の中に小さな一軒のレストランを見つける。
まだ開店準備中のようだが、扉を開ける前に「下っ端見習い」達に迎えられるだろう。
話を聞けば、どうやら今日は店にとっての「大事な日」であるのに、
店のコックが皆「ニャンフルエンザ」という病気にかかり、自宅休養中なのという。
「下っ端見習い」は探索者にコックとなり、料理を作ってほしいとお願いする。
経験が無くてもOK、サポートする、
無事終えられたら、お礼もさせてもらうと子猫達は言うが、本当に大丈夫なのだろうか…?
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涼しげな気温、晴れ晴れとした青空の下。
此処は秋の森。木々の枝には色とりどりの花が揺れていて、
道なき道を進む足元を柔らかな草花がくすぐっている。
探索者は景色に目をとられながらも、森の先へと進んでいた事だろう。
そんな時、風が落ち葉を舞い上がらせる。
探索者は其れに一瞬視界を奪われて、…次に目を開けると。
先ほどまでは無かった筈の、直ぐ目の前に建つ一軒のレストラン。
入り口であろう扉までは小さくもカラフルな丸石砂利がてんてんと、小道を彩っていた。
⇒「5.Persian cat restaurant」へ
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白塗りの建材に、赤い屋根の可愛らしいレストランだ。
塗装は全て真新しく、建てられてそう時間が経っていないのではないかと分かるだろう。
扉には「準備中」という肉球型の小さな板がかけられている。
扉上に掲げられた看板を見れば、「Persian cat restaurant」と書かれていた。
探索者が扉に対して行動しようともしなくとも、
レストランの扉は其の行動直前で勝手に内側から開かれる。
顔を出したのは、可愛いレストラン制服のような上着を身に着け、
二足歩行をする小さな白猫達、首に巻かれた朽葉色のバンダナがとってもお洒落だ。
丸くきらきらした金や青の瞳が探索者を見つめるだろう。
そうして、少しの沈黙のあと。
毛をばっと逆立てて、次に出た言葉は慌てたような幼い声音。
「あっ」「あ」「お、おきゃくさまですか!?」
探索者が肯定しようと否定しようと、子猫達はわたわたと慌てて、
どうしよう、どうしようと何やらひそひそと相談を始める。
そうした後に、皆何か決意したような顔で探索者を店内へと招き入れるだろう。
「こ、ここでおしゃべりさせてしまうのもなんですので、」
「てんないへどうぞ、まだ、かいてんじかんではないのです」
「ほんじつかいてん「Persian cat restaurant」へ、ようこそいらっしゃいませ!」
⇒「6.ひとの手も借りたい」へ
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レストランの内装は、小奇麗ながらも何処か素朴で暖かな雰囲気だ。
大きく作られたシックな暖炉が印象的だ。
並べられたテーブルには綺麗にクロスが敷かれ、食器が並べられている。
店内に入った探索者は、先ず子猫達にお願いされるがままに以下の事をやらされるだろう。
折角なので、子猫達は愛らしいRPでお願いしてみましょう。
探索者が全部(せめて4と5だけでも)やってくれるまで、逃がしてはいけません。
必ずやってもらいましょう。何だかんだ適当に理由をつけて、やってもらいましょう。
途中で探索者が何をさせられるか察したら、
1.髪が肩より長い探索者であれば、ヘアゴムを渡して髪を縛って貰う。
2.爪が極端に長い探索者であれば、切って貰う。
3.大きな荷物や指輪、ピアス等を探索者が所持していれば、荷物籠に預けて貰う。
4.探索者に此れを着て欲しいと、お洒落な白のエプロンを着せる。
5.手を綺麗に洗って、念入りにアルコール消毒して貰う。
そうして、其れ等全てが終わると、ようやく子猫達に先へと案内して貰える…、が。
案内された先はどう見ても、キッチンだ。
どういうことだろう、と子猫達を見た瞬間、皆ずざーっと勢い良く床に頭を擦りつけ叫ぶ。
「おねがいします!!」
「おきゃくさまにおたのみすることではないとしょうちのうえで、おねがいします!」
「きょういちにちだけでよいのです、とうてんのコックになってください!」
理由を問うても問わなくても、子猫達は勝手に其の理由を喋り始めるだろう。
どうやら今日は、このレストランにとって大事な日。
初めて店を開く「開業日」なのだという。
ようやく迎えた今日この日を楽しみに、招待された一部の関係者が客として訪れるのだとか。
其れなのに、何とレストランのコックがどうしてか皆、
「ニャンフルエンザ」という病気にかかってしまい、全滅。
自宅休養を余儀なくされて、本日、店に出てこれなくなってしまったのだという。
今日この場に居るのは皆「下っ端見習い」、
キッチンにも立てないお手伝いの子猫達ばかりの様子。
「きょうだけは、きょうだけはどうしてもおみせをあけなきゃいけないんです!」
「どうか、どうか、ねこだすけだとおもって、おねがいします!」
「ぼくたち、できることはすべておてつだいさせていただきます!」
「おねがいします!りょうりをつくってください!」
「もちろん、せいいっぱいのおれいもさせていただきますので!」
子猫達は探索者がどんな事を言っても、許諾するまで縋り付くだろう。
最後の頼みの綱、ひとの手も借りたい程泣きそうになりながら困っていたのだ。
探索者がどんな態度でも、一度許諾すれば、
皆途端にぱーーっと表情を明るくし、喜び始める。
キッチンを見渡してみれば、様々な食材がぎゅうぎゅうに詰まった冷蔵庫や、
見切れなさそうな程沢山のレシピ本が詰まった本棚、最新の調理設備が揃っている。
探索者が事前に探しておきたいものがあれば、子猫達に頼めばいい。
皆で手分けして、何でも、キッチンの何処かから見つけてきてくれるだろう。
RPのキリのいいところで、次項のルール説明を行いましょう。
⇒「7.いらっしゃいませお客様!」へ
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此処からの演出はほぼGM任せとなります。
先ず、キッチンにいる探索者からホールに居る来店するお客様の姿は見えません。
また、作る料理のメニューは全て子猫達が聞いてくるお客様のオーダー頼りとなります。
(例:「卵を使った料理が食べたい」、「冷たいスープが食べたい」等)
勿論、指示難易度を少し下げて直接何らかの料理名を指示しても構いません。
(例:オムライス、ステーキ、等)
事前に子猫達から常に聞きたい情報(お客様の味の好み等)が探索者側にあれば、
其れを指示して欲しいと伝えましょう。
お客様の予算や料理の値段の事は気にしなくても構いません、
本日来店するお客様は皆全てレストラン開店に関わった関係者なのです。
コックの腕試し、また、店員の接客の様子などを見に来るのだとか。
この事は、子猫達から探索者へと事前に説明してあげて下さい、
探索者は子猫達から聞くお客様のオーダーを聞いて、出す料理を考えて下さい。
キッチンには様々な食材、またレシピ本が並んで居ます。
探索者が知らない料理も出せる事でしょう、
時間がかかるものでも数時間など極端でなければお客様も目を瞑って下さいます。
※料理制作についてのルール※
判定は「制作_料理」を使用します。
料理の内容によっては、「制作_絵」や「制作_工作」の併用判定で+-補正を与えて下さい。
包丁等といった刃物を使用する料理には、「剣術」併用で+10の期待値補正がつきます。
PL/探索者がルール等を把握したら、店を開ける時間となります。
来店を示すベルが鳴ると、子猫達の何人かはホールへと出て行って、お客様を迎える。
キッチンに居るのは、探索者と数人のサポート役として残った子猫達だけだ。
来店するお客様は全部で3〜5人程。
お客様は皆、猫です。
1人こなす度、一度に注文される料理品数は1品→2品→3品→4品…と徐々に増えていきます。
かかっている時間によって人数やオーダー数を調整して構いません。
お客様の料理は自由にGMが料理をオーダーして構いません。
しかし、最後の客だけは、必ずこのレストランの「オーナー」であるペルシャ猫です。
つけひげを付けて、帽子を深く被りサングラスまでしているようですが、
子猫達にはバレバレです、オーナーから注文を聞いてきた子猫達は
慌てて探索者へと「大事な客」なのだと伝えてくるでしょう。
オーナーの機嫌を損ねてしまえば、折角開店したレストランの先行きが危うくなります。
「どうしよう、どうしよう!あのおきゃくさま、ぜったいオーナーだ!」
「そんな、オーナーがくるなんてぼくたちきいてないよ!」
「なにか、なにかよろこんでもらえるようなサプライズができたりしないかな!?」
「たしかせんぱいたちがなにかをかいていたメモがどこかにあったような…?」
探索者がそう言われて周囲を見渡してみれば、
冷蔵庫の上段側に張られた一枚の手書きのメモが見つかります。
それによると、今日は何とオーナーの誕生日なのだとか。
オーナーの特に好きなものは、「鶏肉」と「魚」と「ミルク」と「チョコレート」。
このメモの情報を使って何か出来ないか…?
因みに、オーナーが指示してくるオーダーは
「前菜、スープ、メイン、デザート、飲み物の5品で構成されたフルコース」となります。
品を出す順番は、飲み物→前菜→スープ→メイン→デザートです。
無事全てのお客様を満足させる事が出来たら、探索者のやるべき事は完了です。
⇒「8.ほうしゅうやいかに?」へ
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…気がつけば、窓の外はいつの間にか真っ暗闇の夜。
ようやく店を閉める時間となったようで、
最後のお客様を見送る子猫達の元気な声が聞こえてくる。
お客様が子猫達に感謝を伝える声、そして扉が閉まる音の後、
バタバタバタという元気な足音を立てホールに出ていた子猫達がキッチンへと戻ってくる。
「やった!やりました!!」
「あなたのおかげで、ぶじかいてんしょにちをおえられました!!」
「ありがとうございました!ありがとうございました!かんしゃしてもしきれないのです!」
ははーっと探索者を神のように崇めひれ伏し、子猫達は隠せない程の喜びを露にしている。
「こちら、おやくそくのほうしゅうなのです!」
子猫達の中の一匹が、探索者に一つの小さなプレゼント包みを渡してくる。
此れが本日の給料代わり、ということなのだろう。
探索者が食料品等を求めれば、店にある物は少しだけなら在庫を分けてくれる。
探索者がプレゼント箱を受け取れば(受け取らなくても押し付けてきます)、
子猫達は一匹一匹握手を求めて、再度礼を述べる。
そうして、店の外まで探索者を連れ出し、其の背を見送るだろう。
「つぎはぜひ、おきゃくさまとしてもらいてんしてほしいのです!」
「てんいんペルシャねこいちどう、いつでもおまちしております!」
にゃぁんと愛らしく鳴き、並んで頭を下げる子猫達の声を最後に。
探索者は暗闇に飲まれるようにして意識が遠くなっていく。
・・・
・・
・
…気がつけば、其処は夜が近づき暗くなり始めた、秋の森。
探索者は森の入り口近くに、ぽつんと立ちつくしていた事だろう。
まるで煙に包まれたかのように、其れまでの事は何も覚えて居ない。
ただ、何処か達成感を覚える気持ちの暖かさと、
鼻を微かに掠めた美味しそうな料理の匂いにつられるように、家路についた。
セッションクリアとなります。
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▽クリア報酬
・ステータス上昇3pt or スキルポイント30pt
▼追加報酬:無事料理を作り上げたPCへ
・自身の「秋」または「感謝」に関する記憶の一部分(要選択)
・アイテム入手「秋の彩り」
「Persian cat」という文字と小さな白猫の顔が刺繍された鮮やかな朽葉色のバンダナ。
一度四つに折ってから、広げたい大きさを思い浮かべて一気に開くと、
ブランケットの大きさ程まで大きくなる不思議な魔法の布で折られている。
どんなに汚れても水洗いで綺麗に元通り!沢山のひとを、笑顔に出来たらいいな。
▽特殊入手
【春/「花見る兎」「春衣屋の仕立て屋見習い」】
【夏/「願いを叶える星の子の話」「夏蛍に灯り道」】
【秋/「注文の多いお客様」「秋色森の図書館より」】
【冬/「ゆきと道連れ」「白雪下のかくれんぼ」】
上記シナリオの「春」「夏」「秋」「冬」の内、
其々の季節のシナリオを1つずつクリアした探索者に限り、
アイテム「
四季の彩り」を入手出来ます。
既に入手した探索者であれば、下記リストからひとつ入手して構いません。
(※今回「四季の彩り」を初めて入手する探索者でも、入手後に選択可)
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星の呼び笛
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青空流星ロケット
・
生まれた縁を大切に
・
渡り辿りし玉手箱
・
叡智の宝珠
・
開闢の宝珠
・
景色の衣替え
・
魂心の終着点
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仮宿のすゝめ
・
私の記憶とあなたの夢
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