願いを叶える星の子の話
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陣営:制限なし
推奨人数:2人
推奨スキル:技術_操縦(上限60)、回避(上限60)、支援、(PCの好奇/親切心)
時間:2〜3時間程度
GMボーナス:ステータス上昇5pt or スキルポイント50pt(※3回まで受取可)
ダンジョン「夏の彩り」専用のシナリオです。
探索のみで、戦闘はありません。
人々が星へと託した願いを抱え、星の子は船を操り天の川を下ってゆく。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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星の子と共に笹船を操り、無事星の国へと送り届ける。
途中で船が壊れてしまったり、PCがNPCへ危害を加えようとすれば、
まるで落下する夢から覚めたかのように、
落ち着かない気分を伴い自室で目が覚めることだろう。
この場合、其のPCはシナリオクリア失敗となります。
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皆全て幼い子供の姿をしている、外見は様々なようだ。
男女で一セット。名前は無い。
一人称:ぼくたち、わたしたち 少し独特な喋り方をする。
人々が星へと託した願いを集めて、笹船で星の国へと運ぶ役割を持つ。
役目に忠実で、子供心ながらに無邪気な性格だ。
星の国へ行くまでの道中には"事故"が多く、無事辿り着く星の子は本当に、本当に少ない。
其の分、世界に生まれる星の子の数はとても多いらしい。
◆下記は、星の子でも知らない情報です。-----
願いを運ぶという、其れだけの為に生まれた生命だ。
役割を終えれば其の命は尽きる、眠るように消えていく。
そして、また別の星の子が世界に生まれてくるだろう。
星の子の心はいつまでも、純粋なまま変わらない。
夜空に浮かぶ、星達の国。
まるで空の闇に溶け込むようにある為、通常では見つけられない。
星の子の笹船が辿り着いたときのみ、実体化するようだ。
其の国の住人が何者なのか、知る者は居ないだろう。
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探索者は夏の夜、蛍飛び交う川の淵で上流から流れてきた笹船の少年少女と出会う。
「天の川」を目指していたという彼らは、
人々の願いを叶える為に星の国へと向かっていた最中なのだという。
本当の天の川は空の上だ。
探索者を笹船へ誘い、皆を乗せた笹船は宙へと浮かぶ。
でも、空の船旅は危険がいっぱいで。道中、降り注ぐ流れ星が意地悪をする。
無事、彼らは星の国へと辿り着くことができるのだろうか…?
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星が強く瞬く夜のこと。
探索者はいつものように、寝具の中で眠りについたことだろう。
…しかし、どういうことだろうか。
気がつけば探索者は同行者と共に、少し蒸し暑い空気を纏う夏の森の中にいた。
辺りは暗いが、水の音がする事で分かるだろう。
どうやら此処は少し大きな川の畔のようで、周囲には蛍と思われる光が飛んでいる。
どうしてこんな所にいるのだろう、と探索者が疑問に思っていれば。
川の上流から、「おーい、おーい!」という、
幼げな男女の声が重なって聞こえてくるだろう。
⇒「5.川を下る笹の船」へ
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声の方を見てみれば、川の上流から笹で出来た大きな船が流れてくるのが分かるだろう。
笹の船には4〜6歳程の幼い少年少女(外見はGMの任意、双子のようだ)が二人乗っており、
探索者に向かって大きく手を降っている。
笹の船は川の淵ギリギリに寄せられて、ゆっくりと下流へ向かって流れていく。
子供達は夜の怖さも吹き飛ばすような満面の笑顔で元気良く、
探索者らへ声をかけてくるだろう。無視をされてもめげない、しょげない、泣かない。
「こんばんは」「こんばんは!」
「ぼくたち、わたしたち、ほしのこです!」
「ちょっとおたずねしたいんですが、」
「このかわは、"あまのがわ"であっていますか?」
星の子だという子供達はそう探索者らへと尋ねてくる。
彼らは自分が知っていることならば、何でも素直に純粋に話してくれるだろう。
「あれ」「あれ?」「あまのがわじゃない?」
「いつのまに…ぼくたち、わたしたち、どこで、みちをまちがえちゃったんだろう?」
「あれー?」
否定/肯定/分からない…、探索者がどんな返答を返しても、星の子達は
この川が「天の川」では無く、道を間違えていると気付くだろう。
そうして空を見上げ、本当の天の川を見つける。
「あっちが、ほんとうの、」「あまのがわ?」
「"あめのかわ"じゃあなかったんだね!」
「そっか。おそらにいかなくちゃ、いけなかったんだ!」
「あのね、おしえてくれてありがとう!」「ありがとう!」
「そうだ!ねえ、いっしょにおふねにのらない?」
「ほしのくに、みてみたくない?」
「ぼくたち、わたしたちもまだみたことないんだ!」
「ねえ、きみたち、あなたたちもいっしょにいこうよ!」
探索者は、星の子達の思いつきで一緒に「星の国」へ行かないかと誘われる。
断られてもめげない、しょげない、泣かない。
腕を引っ張って探索者を笹船へと招き乗せるだろう。子供は意外と力が強いぞ。
⇒「6.星の子の話」へ
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足をつけた先の笹船はお世辞にも乗り心地が良いとは言えず、ゆらゆらと心許ない。
バランスをとらなければ、落ちてしまいそうだ。
「あんまりゆらしちゃだめだよ!」
「あまのがわへいけるおふね、これしかないの」
星の子達に何かを尋ねるなら、このタイミングが最後の機会だろう。
探索者達を乗せると、笹船はふわりと川から身を離し、空へとぐんぐん上昇していく。
下を覗けば、はるか遠い先に地上の森森が見えるだろう。
「あまのがわをさいごまでくだっていけば、ほしのくににいけるはず…なの」
「ほんとうだよ!ぼくたち、わたしたちにはわかるもん!」
「ぶじについたら、きみたち、あなたたちのおねがいもいっしょにとどけてあげるから!」
「おふねをうごかすの、きょうりょくして、おねがい!」
断られてもめげない、しょげない、泣かない。
笹船は、先端についている葉先を掴んで、右に左にと舵をとれるようだ。
思い切り引けば、ジャンプも出来る!…かもしれない。
笹船の上昇が止まれば、探索者達の直ぐ目の前に"天の川"を見る。
きらきらとした光がひとつの流れを作っていて、一定方向へと進めるようだ。
笹船が天の川へと着水すれば、見た目よりも速く、速く、船は進みだす!
「きゃー!」「きゃあ!」
星の子達は振り落とされないように、笹船の縁へとしがみ付くだろう。
…船が辿り着く先。舵は、探索者達の手の中にある。
⇒「7.ひとときの船旅を」へ
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笹船は勢い良く、天の川の終着点へと下り落ちていく。
気分はまるでジェットコースターだろう。
天の川には、更に天空から無数の星屑が流れ星のように降り注いでくる。
一度や二度ではびくともしないだろうが、
何度もぶつかれば脆そうな笹船はひとたまりもないだろう。
此方へ向かって落ちてくる星屑にぶつからないように、探索者は笹船を操る必要がある。
星屑がもたらす船への"危険"は、全部で6回。
探索者はまず、「回避」を振ってから「技術_操縦」を振ることになる。
この際、ダイスを振るのは探索者一人ずつ交代で振る。
笹船に乗った探索者が推奨人数の二人であれば、一人三回ダイスを振ることになるだろう。
「回避」判定に成功すれば、次に振る「技術_操縦」判定の期待値に+10。
「回避」判定に失敗すれば、次に振る「技術_操縦」判定の期待値に-10。
ダイスの出目操作効果のあるアイテムや、
判定失敗した時の「支援」スキルなど、持てる術は全て使って良い。
健闘を祈る。
四回、船に星屑が当たってしまえば、笹船は破れ壊れてしまう。
天の川の水流に飲まれて意識を失えば、…探索者は自室で目が覚めるだろう。
全てを忘れた今、あの星の子達がどうなったか、探索者達は知る由もない。
クリア失敗となります。(※シナリオへの再挑戦は可能)
全てのダイス判定を終えた後も船が壊れていなければ、
川の流れが穏やかになったあとに笹船は「星の国」の船着場へと辿り着く。
⇒「8.終点の船着場」へ
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辿り着いた其処は、まるで夜の闇に紛れるような深い藍色に染まる国だった。
建物も、地面も、全てが藍一色に染まっており、
ぽつぽつと光る人影のようなものが見えるだろう。
星の子達と探索者は、笹船から足を下ろして国の地へ降り立つ。
ついた足元はどこかふわふわしているように感じただろう。
笹船は役目を終えたのが分かったのか、崩れ朽ちるように消えていった。
「ありがとう!」「ありがとう!」
「ぼくたち、わたしたちがぶじにこれたのは、きみたちの、あなたたちのおかげなの!」
「ほんとうに、ありがとう!」
嬉しそうに、誇らしそうに、無邪気に星の子達は笑う。
そうして、探索者との別れを惜しんだあとに探索者達に黒色の傘を渡す。
受け取ろうとしなくても、無理やり渡してくるだろう。
「かえりはほしくずのながれにのって、したまでいけるんだ」
「いきはこわこわ、かえりはよいよい、なんだって!」
「きをつけて、ぜったいに、かさからてをはなさないで」
「ぼくたち、わたしたちは、いつでもきみたちを、あなたたちをみまもってるよ」
「やくそく」「やくそくだよ」
「よるのそらをきみたちが、あなたたちがみあげたとき、」
「いちばんさいしょにきらきらしたほしが、ぼくたち、わたしたちだとおもって!」
さようなら、
星の子達が少し寂しそうに眉を下げて手を降ると、探索者の意識は薄れていく。
足元がゆらりとバランスを崩れて、傘が大きく開いた感覚だけを感じた。
・・・
・・
・
ふわりとした柔らかい感覚、背が寝具にもたれたような感触に貴方の目は覚める。
其処はいつもどおりの貴方の部屋。何も異変はない。何も覚えてはいない。
どうやら夜明けが近いようで、空は少し明るくなっていた。
何処か遠くまで旅に出ていたような、少しざわめく鼓動のままに部屋を見渡せば、
一本の、開かれたままの黒い傘が目に入っただろう。
傘には美しくも鮮やかな星空と、横切る天の川が光を灯していたが、
朝日が空を走ると共に、消えていってしまう。
其の耳には微かに、柔らかく暖かな子供の声が尾を引いていた。
みえなくなっても、しらんぷりされても、ぼくたち、わたしたちは、ここにいます。
きらきらてをふったら、てをふりかえしてくれるひをまっています。
またね、
セッションクリアです。
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▽クリア報酬
・ステータス上昇3pt or スキルポイント30pt
▼追加報酬:無事星の国まで辿り着けたPCへ
・自身の「夏」または「ほし(星、欲し...etc)」に関する記憶の一部分(要選択)
・アイテム入手「夏の彩り」
布地から柄まで真っ黒に塗られた、幅の広い大きな傘。
夜にこの傘を差せば、空に浮かび上がるかのように
沢山の美しい星屑と横切る天の川が光りだす。
晴れの日も雨の日も、雲の上ではいつもどおりだから。
ぼく達わたし達は今日も、此処からきみを見ているよ。
▽特殊入手
【春/「花見る兎」「春衣屋の仕立て屋見習い」】
【夏/「願いを叶える星の子の話」「夏蛍に灯り道」】
【秋/「注文の多いお客様」「秋色森の図書館より」】
【冬/「ゆきと道連れ」「白雪下のかくれんぼ」】
上記シナリオの「春」「夏」「秋」「冬」の内、
其々の季節のシナリオを1つずつクリアした探索者に限り、
アイテム「
四季の彩り」を入手出来ます。
既に入手した探索者であれば、下記リストからひとつ入手して構いません。
(※今回「四季の彩り」を初めて入手する探索者でも、入手後に選択可)
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星の呼び笛
・
青空流星ロケット
・
生まれた縁を大切に
・
渡り辿りし玉手箱
・
叡智の宝珠
・
開闢の宝珠
・
景色の衣替え
・
魂心の終着点
・
仮宿のすゝめ
・
私の記憶とあなたの夢
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