ニコライ・キスフィール
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◆陣営 : Evil
◆名前 : ニコライ・キスフィール (Nicholai=Kissfeel)
◆性別 : 男
◆年齢 : 18歳(見た目)
◆身長 : 182cm
◆ステータス
【HP/8(+9)、攻撃力/9(+5)、魔適/2、耐久/1(+6)、魔耐/6、敏捷/6】
◆装着スキル / SP : 300
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個人ページ
細く柔らかい、ふわふわの純白の髪は、
妖精族の血を持つ者の特徴である、虹色の光をまとう。
森の泉のような翠色をたたえる瞳はすきとおり、
なにものにも汚されがたい、
潔白とした美しい容姿はまるで白百合のよう。
見たものは心まで彼に囚われたように、
思わず息を漏らしてしまうだろう。
性格は穏やかで優しく、表情も柔らかいため、
見た目通りの清らかな青年、という印象を抱く。
しかし、それは彼が意図的に他人に与えているもの。
実際の性格はかなりひねくれており、非常にマイペースで皮肉屋、
そのわりに寂しがりで恥ずかしがりなど、等身大の青年らしい心を抱えている。
記憶を失くしていることに対し不安感はとくになく、
解放されたようなせいせいした気分であり、
どこか物足りない、ぼーっとした気分でもあるようだ。
本来は恥ずかしがり屋であるため、
表面では穏やかな青年として振舞うことは変わっていないが、
内面の子供っぽく、さみしがりな性質が強くなっており、
親しくなった人には、そういった態度を見せることもあるだろう。
◆返還記憶-----
春は、僕と妹の生まれた季節だ。
柔らかな母の手で抱かれて、そのぬくもりを感じながら眠る、春。
淡く色づいたつぼみが花開く様子や、
長い冬眠から目を覚ます小さな動物たちの足音。
その季節が訪れるたび、僕の心は躍っていた。
妹を失ったのも、春だ。……何度目かの、春。
何度も繋ぎ合った小さな手、くりくりと表情を変えては、
僕を見上げていた、僕とおなじ、翠色のすきとおる瞳。
妹は、体に植えられた"種"によって体をむしばまれ、
それらはすっかり、色あせたように弱っていた。
鈴が転がるように可憐だった声も、かすれ、そうして僕に助けを、求めた。
その"種"が、芽吹いてしまう前に。
彼女の小さなからだのかたちすら、朽ちて消えてしまう、前に。
世界でかけがえのない一人である彼女を、──僕の手で殺めた。
自分の手で、彼女を救った実感が欲しかった。
だから、躊躇うことはなかった。
しかし、……この季節の訪れを知るたび、
痛みと後悔が、心の中で芽を出しそうに、疼いている。
また、春が来る。彼女のいた、春が。
僕は抱く。……くるしくも、いとおしい、この"春"を。
秋。木枯らしの吹く街道、冬支度をはじめる家々を眺め、
ふらふらとひとり、出歩いていたときのこと。
背後から、僕の名を呼ぶ声がした。
聞き覚えのない声に不信感を抱きながら振り返ると、
僕より、いくらか年上の──見知らぬ女性だ、
その人は僕の名を親し気に呼んでは、
元気だった?などと言いながらけらけらと笑っていた。
僕が彼女に尋ねれば、彼女は僕の父の知り合いなのだと言った。
父。……どんな顔だったかすら、記憶がおぼろげな、
僕とほとんど縁がなかったと言ってもいいような、その人。
ただの知り合いにしては、……彼女は若すぎやしないか?
そう思った僕は戯れに、彼女にこう投げかけた。
「……愛人?」
面食らったような表情をした彼女は、
またけらけら笑った後に、それを肯定した。
"あなたのパパ、お金もあれば地位もある、それに顔もキレーだったから、
あたしみたいな女は多分他にもいたんじゃないかなあ。"
思い出話のように気楽に語られる父の姿は、
それでも、僕にとって憎しみを抱きたくなるものだった。
僕を、妹を、母を。
すべてを裏切って消息をたった、今では顔も思い出せない男。
はじまりは単純な興味だった。その男が、実際どんな人物だったのか、
家族へ見せることのなかった表情が、どんなものであったのか。
僕の血のつながった父親。……母が、心から愛した男。
僕のたったひとりだったその人が、
「あのひとがいなければ、いきていけないの」と、
そう、そう言った、"母が僕よりも愛していたひと"。
父の面影を追うために、彼女と時間を共にし、
幾度も身体を重ね、そうしてその心を、奪って見せて。
"父のようになれば、母はまた僕を愛してくれるかもしれない"。
そんな微かな希望もあった。……僕がそれに満足したら、捨てるつもりでいた。
僕に縋りつく彼女が誰かと重なる。
……それに気づくのが、きっと遅すぎたんだ。
同じ傷を舐め合って、呆れるほど陳腐な結末に身を寄せ合って。
離れがたい場所になってしまった、彼女の腕の中で。
そこに愛が芽生えることを恐怖して、僕はいずれ、逃げ出すのだろう。
彼女が見るものは、僕が見たそれだ、
裏切りの向こうに見た、それだけが焼き付いて離れない、
あの父親の背中と、……同じものなのだろうと、感じながら。