夕焼け猫
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陣営:制限なし
推奨人数:1〜2人
推奨スキル:幻視、制作_工作、戦闘スキル全般
時間:5〜6時間
GMボーナス:ステータス上昇5pt、スキルポイント50pt
ダンジョン「猫の夢」専用のシナリオです。
謎解き、戦闘を含みます。
場合によってクリア失敗の可能性があります。
◎制限時間はなし。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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化け猫を倒し指輪をツキコの元へ届けることでクリアとなります。
戦闘で負ける、ツキコを殺すとクリア失敗となります。
★「戦闘で負けた」場合(描写例)
化け猫は苦しみに悶えながらも「つきこ!つきこ!」と叫んでいる。
意識が朦朧としていく探索者の耳にどこかで聞いたことのある声が聞こえた。
「あーぁ、もうちょっと楽しめるかと思ったのにな」
そんな楽しげに笑う男と化け猫の叫びを聞きながら探索者は意識を失う。
気が付くとそこは拠点近くの森の中。探索者は先ほどまでのことを何も覚えていない。
ただ虚無感と罪悪感が襲うのみ。
遠くで猫の鳴き声がした気がした。
★「ツキコを殺した」場合(描写例)
驚いたようなツキコの表情。途端に地響きのような音が鳴り響く。
世界は崩れ、立っていた足元も全てが闇へと落ちていく。
探索者と共に落ちていく中、ツキコは探索者に言うだろう。
「なんで…」
気が付くとそこは拠点近くの森の中。探索者は先ほどまでのことを何も覚えていない。
ただ虚無感と殺しという感触手に残っている。
遠くで猫の鳴き声がした気がした。
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探索者が最初に目を覚ます場所。
森に囲まれた小さなとても寂れた神社。手入れをされている様子もない。
どうやら時刻は夕方ごろのようで、空は真っ赤に夕焼け色に染まっている。
しかし夕焼け色というには少し赤すぎて探索者は少々不気味に感じるだろう。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(神社)
寂れてはいるが本殿と鳥居に塗られた漆は
まるで塗ったばかりのように赤く存在を主張している。
「注視/幻視」→(周囲)
辺りを見渡せば本殿のそばで着物を着た少女が手毬で1人遊んでいる。
また、神社と少女の姿はくっきり鮮明に見えるが、
その他の森などはまるで夢の中にいるかのように淡い色合いではっきりしない。
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少女に話しかければきょとんとしたように「だあれ?」と聞いてくるだろう。
少女は名を「ツキコ」と名乗るが、それ以外は何も覚えていない。
いつの間にかここにいて、大事なものを無くしてしまった気がすると言う。
そして探索者達にこの神社から出られない自分の代わりに
その大事なものを探してほしいと言う。
森を出れば小さな集落に出るだろうということも教えてくれる。
ツキコが鳥居をくぐろうとすると透明な壁のようなものに当たり、
神社の外へ出ることはできないが、探索者は何事も無く通り抜けることができる。
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集落に来て最初に目に入るのは大きめの民家。
その他にも民家や商店が立ち並んでいる。
大きめの民家の塀の上では1匹のトラ猫が丸くなって寝ている。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(周囲)
民家からは晩御飯だろうか、おいしい匂いが漂ってくる。
しかしそれにも関わらず、人の気配は全くしない。
また周囲はまるで夢の中にいるかのように淡い色合いではっきりしない。
「幻視」→(トラ猫)
幻視であれば周囲は淡くはっきりしないのに対して
この猫はくっきり鮮明に見えることが分かる。
トラ猫に触ろうとするとその猫はうっとおしそうにその手を避けて
塀から飛び降りどこかへ行ってしまう。
しかししばらくすればまた同じ場所で丸くなって寝ているだろう。
(1d100<=40に成功したら去り際に猫の尻尾が二つに分かれているように見えても良い)
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大きな民家は鍵がかかっておらず自由に入ることができる。
探索できるのは以下の部屋。
冷蔵庫、コンロ、食器棚などが置かれ
隙間には細かい雑貨類や調理器具が雑多に置かれているなど生活感が漂っている。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(冷蔵庫)
野菜や肉、卵などたくさん入っている。
傷んだ様子は無さそうだ。冷凍庫には1本のソーダアイスが入っている。
アイスを食べると棒には「あたり」と書かれている。
★アイテム『あたり棒』入手
「あたり」と書かれたアイスの棒。
ほのかにソーダの香りがする。
「注視/幻視」→(コンロ)
使い込まれたコンロ。まだ十分に使うことができそう。
上には鍋が置かれている。
蓋を開ければなみなみとカレーが入っているのがわかる。
まだ温かくとても美味しそうだ。
「注視/幻視」→(食器棚)
シリーズで揃えているものから
全然揃っていないものまで様々な食器が入っている。
中には子ども用かと思われるアニメキャラの描かれたコップや皿もあるだろう。
「注視/幻視」→(周囲)
くまなく周囲を探すと隅の方に開封済みのキャットフードの袋がある。
しかし封をされてしばらく使われた形跡は無い。
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入ると勉強机、押入れ、おもちゃ箱が目に入ってくる。
布団は出しっぱなしでおもちゃ箱の周りにはおもちゃが散らかっている。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(勉強机)
机の上には小学校低学年向けの教科書や図鑑が並び、
豚の貯金箱が置かれている。
一番上の引出しには鍵がかかっていて開けられる様子は無い。
貯金箱を持ち上げればずっしりとした感触。
割れば大量の10円玉やたまに50円玉、100円玉が出てくる。
数えれば合計500円にはなるだろう。
小さな鍵入手後は鍵を使えば、引き出しを開くことができる。
中には家族で撮った写真や学校で描いたであろう絵、
そして「あたり」と書かれたアイスの棒が出てくる。
★アイテム「あたり棒」入手
「注視/幻視」→(写真)
庭で撮られたらしい家族写真。
眼鏡をかけた厳格そうな男性と優しそうな女性。
この部屋の主であろう短髪の少年が
赤い首輪をつけたトラ猫を抱いてはちきれそうな笑顔で写っている。
またよく見れば後ろの縁側から着物を着た少女が
こっそり顔を出して微笑んでいる。神社で見た少女のようだ。
「注視/幻視」→(押入れ)
押入れを開けると冬用の布団がしまわれており、
目の前の壁には1枚の紙が貼られている。
紙にはクレヨンの子供の字でこう書かれていた。
おたからここにかくされたり!!
「は」に赤のクレヨンで丸がついている。
(謎解きの答え:ひらがなは身体の部位を示している。
(あたま、くび、むね、うで、て、はら、こし、もも、あし)。
おもちゃ箱に入っている変形ロボのお腹に宝物は隠されている)
「注視/幻視」→(おもちゃ箱)
周りには怪獣の人形や腰にベルトを巻いたヒーローらしき人形が散らばっている。
箱の中にもいくつか入っており、30cm程ありそうな変形ロボットがある。
謎解き後、変形ロボットをよく見るとお腹の部分が開きそうな仕組みになっている。
開けると小さな鍵が出てくる。
★アイテム「小さな鍵」入手
変形ロボットの中に入っていた小さな鍵。
扉に使うには小さい気がする。
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その部屋に入ると
正面に仏壇と手前に小さなちゃぶ台があるのが分かる。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(ちゃぶ台)
なにかを作ろうとしていたのか、ナスときゅうりと竹串が置かれている。
「注視/幻視」→(仏壇)
中央には二つの位牌とご本尊などが置かれ、
手前には不自然な空間が空いている。
(位碑を更に調べれば名前が彫られていないことがわかる。)
制作:工作に成功し、ナスで精霊馬を作って
仏壇に供えると郵便受けの方からカタンと音がする。
郵便受けを調べると鈴のついた赤い首輪が手に入る。
★アイテム「赤い首輪」入手
鈴のついた赤い首輪。
内側はすり減り使い古されている。
これを所持していた場合、探索者が戦闘で死亡しても
記憶をそのままに1度だけ生き返れる。
1回使うと消えてなくなる。
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部屋は綺麗に片付けられており
両脇の本棚には難しそうな本がたくさん並んでいる。
医学書、日本に関する歴史、逸話などといった系統の本が多いようだ。
(探索者が望む場合持っていっても良い) ※持ち帰る事はできない
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(本棚)
『日本妖怪』と書かれた本を見つける。
一つ目小僧、餓鬼、化け狸、天狗、化け猫、と様々な妖怪が書かれている中、
座敷童子のページに付箋が貼られている。
内容を読めば座敷童子が住み着いた家には幸せが訪れる一方、
座敷童子に危害を加えた場合悲劇が訪れると記されている。
もう一冊、『日本の伝統』といった本が見つかる。
中には「日本の伝統文化として『精霊馬』という霊を送り迎えする乗り物を作る文化がある。
作り方としてはきゅうりとナスに竹串を刺し脚を作り仏壇に飾る」と書かれている。
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仏壇の部屋から軒先に出ることができる。
庭には母親の趣味だろうか、様々な花や植物が植えられている。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(周囲)
庭の隅に土が盛り上がった部分がある。
てっぺんには木の棒が刺さっており、
子どもの字で『トラのはか』と書かれている。
木の棒を引き抜くと土に埋まっていた部分にかすかに「あたり」という字が見える。
★アイテム「あたり棒」入手
ちなみに掘り返せば猫の骨が出てくるだろう。
その骨を見た探索者は背後から冷たい視線を感じる。
振り向くと塀の上で寝ていたはずのトラ猫が
縁側から爛々とした目で静かにこちらを見ている。SANチェックでs。
しばらくすれば猫はまたゆっくりとどこかに去っていく。
(1d100<=40の判定成功で尻尾が二つに分かれているように見えてもよい)
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大きな民家以外の民家や商店はどこも鍵が閉まっていて入れない。
唯一駄菓子屋だけが扉が開いている。
中に入ると人の気配は無く、色とりどりの駄菓子が並んでいるだけだ。
外にはアイスクリームと書かれたクーラーボックスも置かれている。
(駄菓子は均一25円)
駄菓子を興味深そうに眺めていると
誰もいなかったはずの店内に「金はちゃんと払っていってくれよ」と低い声が響く。
顔をあげれば店の隅にレトロな書生服と学帽で顔を隠した男性が鎮座している。
彼は自らを『傍観者』と名乗る。
この世界のことは何も教えてくれないが口元はずっと笑みを浮かべており楽しそうだ。
※善陣営であれば1d100<=50に成功すれば既視感を覚えてもいい。
※精霊馬のことを聞けば「そういやそんな時期だっけなぁ」などと言って
そのような文化があることを教えてくれる
※男性に戦闘を仕掛けると、男性は攻撃しようとはせず回避や防御に専念する。
ステータスは【2.用語やアイテム、人物、舞台】の「芙蓉」を参照。
→万が一、男性に勝利にした場合
男性は楽しそうにその場から逃走(追跡不可)。
行灯油を手に入れてない場合そこで落としていく。
以後、駄菓子屋には誰も居なくなるので商品は取り放題となる。
→途中で戦闘をやめた場合
途中でやめれば男性は逃げません。常駐し続けます。
男性に「あたり棒」を渡せば「3本渡せばいいものと交換してやる」と教えてくれる。
3本渡せば懐から徳利とお猪口を渡してくれる。
「これはただの行灯油さ。ただのな。
知ってるか…?行灯油を舐める猫は化け猫だって話。」
★アイテム「行灯油」入手
徳利に入った行灯油。魚油が使われている。
ただの行灯油だと言っていたが…?
また、子ども部屋で手に入れた500円で好きな駄菓子を買うことができる。
駄菓子屋で使えるお金はこのダンジョンで手に入れた500円のみとします。
持ち込んだお金は男性によって「これはここでは使えねえなあ」と突き返されます。
アイスは1本25円。
探索者がアイスを食べた際に、GMが下記ダイスを振る。
schoice[はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,はずれ,あたり]
あたり棒をさらに3本集めれば男が「いいもの」をくれる。
→「いいもの」は此方
★アイテム「十色写機」入手
赤い小さなトイカメラ。
写した人物をカメラ内に保存してある衣装に着せ替えることの出来る不思議なカメラ。
顔を写さず衣装のみ写真に写すことで10着までカメラ内に衣装を保存できる。(フレーバー衣装に限る)
また写した人物は「技術_アイドル50」を自動取得できる。
★★希少報酬「星の呼び笛」入手 (※取得済
星をかたどった呼び笛。
入手した探索者の自陣営へ使用キャラを一人増やすことができる。
ただし、必ずしも探索者が望む人物が来るわけではない。
探索者間の移動は自由。
笛を吹くと誰かが異世界の彼方より、流星のように落ちてくる。
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塀の上で寝ているトラ猫に行灯油を見せると鼻をひくりと動かし塀から降りてくる。
お猪口に油を注げば猫はぺろぺろと油を舐める。
その刹那、猫はビクッと動きを止め、呻き出す。
『くるしい…くるしい…』
そう呻きながら猫の尻尾は二つに分かれ、徐々にその体は大きくなる。
3m程で止まったその姿は毛を逆立て爛々と目を光らせる化け猫そのものだった。
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化け猫は「つきこ…ともだち…だれにも、わたさない!」
「あいつ、ちからくれた!ここいれば、ずっとつきこいっしょ!」
など叫びながら探索者達を狙う。
説得系スキルを使っても自我を失いかけており戦う手は止めない。
しかし簡単な問ならば答えるかもしれない。
戦闘です。
化け猫のステータスは【2.用語やアイテム、人物、舞台】の「トラ」を参照。
赤い首輪を持っている探索者は、1度死んでもその場で再び蘇ることができる。
化け猫を倒すと化け猫は悲痛な雄叫びと共に涙を流し消えていく。
探索者達は最後に「つきこ…」という小さな声を聞いたかもしれない。
庭の方からシャリンと鈴の音がする。
行ってみるとトラの墓に小さなケースが置かれている。
開くと中には女性ものの指輪が入っていた。
★アイテム「指輪」入手
指輪は装飾がほとんど無く、結婚指輪のようだ。
裏を見れば、小さく『from R to T』と刻まれている。
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指輪をツキコに見せると「そう…これ」と言って指輪を受け取る。
その瞬間、ツキコは眩い光に包まれ、
思わず眼を閉じた探索者が次に瞼を開くと
そこにいたのは少女ではなく巫女服姿の長い黒髪をゆるく結わった女性。
包帯を巻いていた目元には黄金色の瞳の反転目と深い群青色の目が輝いている。
彼女は自分がのっぺらぼうと座敷童子の血をひく妖怪で、
かつて住み着いていた家の仲の良かった猫が化け猫となり
自分をこの世界に閉じ込めたことを説明する。
この指輪が力を取り戻す鍵となっていたことも。
指輪について聞けば嬉しそうに大切な人がくれた、と話してくれる。
駄菓子屋にいた男については何も知らないようだ。
話終わると彼女はお礼を言って微笑む。
探索者達は鳥居をくぐると強い眠気に襲われ意識を失う。
気が付くとそこは拠点近くの森。
探索者は先程までのことを何も覚えていない。
どこか遠くで猫の鳴き声と鈴の音が聞こえた気がした。
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▽クリア報酬
ステータス+5pt
自身の『友情』に関する記憶の一部
(友情に纏わるエピソードや情報を1つだけ思い出す。
情報が無い場合は、何も思い出す事が出来ない。)
※希少報酬と駄菓子屋で買ったもの以外持ち帰り不可。
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