ローレンス・イーグルクロー
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◆陣営:Justice
◆名前:ローレンス・イーグルクロー (Lawrence Eagleclaw)
◆性別:男
◆年齢:22
◆身長:180cm
◆体重:64kg
◆血液型:O型
◆ステータス
【HP/1(+20)、攻撃/10(+15)、魔適/7、耐久/7(+5)、魔耐/10、敏捷/7(+15)】
◆装着スキル / SP : 300(+400)
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個人ページ
白髪に白い肌、長身なアメリカ人で、
鼻上と左頬にトライバルのタトゥーが入っている元人間の吸血鬼である。
目は金色だが、虹彩の上の方だけ赤に近いピンク色に染まっている。
吸血鬼モードになるとその範囲が広がってくる。
ネイビーのジャケットにピンク色のシャツ、
ネイビーに白い星が散りばめられたネクタイを緩く締め、
ダークレッドのワークパンツとキャメルのブーツを履いている。
声が大きく口が悪くテンションも高い。
普段はポジティブに振舞っているが、怖がりで少しメンタルが弱い。
さらに煽り耐性がないため売られた喧嘩は即座に買い、
冷たく当たられると割とすぐ落ち込む。
学がなく頭が悪いが、人が注目しないところに気付いたり、
突発的にとる行動や発想が場の状況をいい方向に導く事が多い天才肌である。
ただそれを帳消しにするくらいにアホ。
本気で腹の底から怒ると口数が減るタイプ。
血液を見ると吸血衝動が襲い、虹彩のピンク色が下りてくる。
しかしなんとか本能に抗おうとしている。
ハンバーガーとポテトとコーラさえあれば生きていけると思っている。マイペース。
「screw you!俺様にかかればイチコロだぜ!」
一人称:俺・俺様
二人称:お前・てめー
自分の生まれや育ち、何をして生きてきたかを全く覚えていない事からくる不安と、
知らない異世界の情景を目の当たりにした事で元々弱いメンタルがさらに弱っている。
ちょっとした事で落ち込んだり、ビビりに拍車がかかっている。
しかしマイペースなので本来のやかましさは健在。
◆返還記憶-----
あるレストランで、気の知れた仲間であろう数人と飲んでいる記憶。
ポーカーをしたり、いろいろな銘柄の酒を飲んだり、大声で騒いだり。
皆傍らに銃を携えているが、
その人物たちがどこで知り合って、どうして仲良くなったのかは覚えていない。
ただ、とても楽しくて、至福の時間だったことは実感できた。
幸せなんかじゃなかった。
カーテンは破れ、食器は山積み。
飲み終えた瓶は転がり床を汚し、テレビだけが部屋を照らしている。
違法な薬物を嗜む父と母。
ひどい目に合わされた。
右目も、そのときに失った。
気づけば、ゴミ置き場の隅にいた。
そんなとき、声をかけたのは――
俺の敵だった吸血鬼は既に死んでるものらしい。
血は流れるし痛みも感じるし、
感情だってあるのに、心臓は動いてないらしい。
俺が殺す吸血鬼たちも、二回死ぬ事になる。
俺は自分から望んで吸血鬼になった。
強くなりたいからだ。
でも本当にお前は死んでるのか、
と聞かれても、首を縦には振れない。
なぜなら俺は、毎日いろんなものを見てるし
聞くし、喋るし、感じるからだ。
…俺は死んでるのか?
テレビを見るのが好きだった。
というか、それくらいしかやることがなかった。
両親が居ない間にテレビをつけて、帰ってくるまでの間ずっとかじりついてた。
見ていたのは、邪悪な吸血鬼を倒していくヒーローもの。
大きくなったらヒーローになりたい。
たった一人でもいい、誰かに、「ありがとう」と言ってもらえる存在になりたい。
ヒーローになるのが、子供の頃の夢だったんだ。
大きな会社、銃を手にとって、車に乗り込む。
ナンバープレートにはV.Executionの文字。
目的地が表示されている車載ナビ。
『Vampire』という表示。
そう、敵は吸血鬼。
たくさん殺した。
人々を脅かす害敵を殺すことになんの躊躇いもなかった。
ターゲットの前に飛び降り、ショットガンを放つ。
俺は、ヒーローになるんだ。
俺は弱かった。
怪我は数え切れないほどしたし、させた事もあった。
強くなりたかった。
最強じゃなくてもいい、自分や、大切な人を守れるならなんでもよかった。
俺は、吸血鬼になった。
この世界に来て、どうして陽の光や虹に憧れを抱いたのか。
なぜ、その下を歩くことで少し不安になったのか。
血を見ると心がざわつくのか。
やっとわかった。
俺は、ただひたすらに強さを求めた訳じゃなかった。
守るために強くなりたくて、吸血鬼になった。
「お前は自由でいいよなあ」
黒い髪、黒い瞳の青年にそう言ったことがあった。
彼は自由だ。
全てのことを己で決断し、何かに縛られることも、
つき従うこともなく、たった1匹で空を舞う烏のように振る舞う。
俺も、蒼穹を舞う白頭鷲のように、自由に…。
愛情ってなんだろう。ふと思ったことがある。
いろんな愛情がある。
家族、友人、恋人。
両親から愛情というものを感じたことは一度もなかった。
結局、その両親に捨てられた。
その後の俺には、実の親ではないパパがいた。
ちょっとお金持ちで、会社ではちょっと偉い、上品なおじさんだ。
パパは、ガキだった俺を育ててくれた。
血も繋がっていない、どこで生まれて、どんなところで育ったかもわからない俺を。
暖かい料理、暖かいお風呂、暖かい羽毛布団。
叱ったあとの、優しい笑顔。
頭を撫でる、優しい手。
思い出せば、それは紛れもなく愛情だったのだと、馬鹿な俺でもわかった。
愛情ってなんだろう?
愛情を貰えば、自然と心が前向きになる。
愛情の種類は違っても、そこに差なんてないはずだ。
俺はいろんなものへの愛情を、俺なりに、忘れないようにしようと思った。
強くなりたい。
奢るためじゃない。上に立つためじゃない。名誉なんていらない。
目の前の、たった1つの命を。笑顔を。
守るために、強くなりたい。
ヒーローは、たくさんの泣き顔を笑顔に変える。
たくさんじゃなくてもいいんだ。
目の前で泣いてる人が、俺にありがとうと笑ってくれたら。
それだけでいい。
俺は、つよくなりたい。
ローレンス・イーグルクロー。
ローレンスは月桂樹の冠。
イーグルクローはそのまま、鷲の爪。
大それた鷲の爪の名を俺に分け与えた2人は、俺を捨てた。
きっと今頃刑務所にでもいるんじゃないだろうか。
でも、勝利・栄光・栄誉を意味する月桂冠の名をくれたのも、紛れもないその人達だ。
俺はこの名前、気に入ってるよ。
だってみんな、この名前をたくさん呼んでくれるんだ。
「俺が、お前だけの青空だ」
そんな大それた事を言っちまったけど、その言葉は自然と出たんだ。
下も上も、右も左も、一面の青空。
空の青と雲の白に溶け込むような少女は、振り返って笑った。
悲しさから来たものではないだろう涙が、光る。
俺は幸福と、希望に満ちたその光景を、ずっと覚えておきたい。
アメリカにいれば、誰だってでっかい夢を持ちたくなるもんだ。
そうだろ?
俺は小さい頃ヒーローになるのが夢だった。
テレビで見た、次々と悪をなぎ倒していくヒーロー。
でも俺には、テレビで見たような超能力や怪力は備わってない。
スーパーヒーローにはなれないんだ。
大人になってしばらくしてから、やっと気付いた。
超能力や怪力がない俺はどうしたらいいのか。
目の前で簡単に人が死んでしまったとき、俺は思った。
たった一人でもいい。救いたい。
たった一言でも、「ありがとう」と言って貰えるヒーローになるんだと。
純粋な吸血鬼は魔力が高くて、魔術が使えるらしい。
それって魔法だろ?
吸血鬼は何百年も生きてるし、
一体いつから魔法が存在してたのか、俺にはさっぱりわからない。
わからないけど、魔法はかっこいいから好きだ。
俺も炎が出せたり、稲妻が使えたりしたらいいのになあ。
大きな木にカラフルなボールや、かわいいミニチュアを飾っていく。
てっぺんにキラキラと輝く星。
「今年はビックリするようなプレゼントを用意してるぜ!」
周りには気の知れた仲間たちと、ここぞとばかりに豪華な料理。
みんなでプレゼントを交換するんだ。
料理を平らげたら、ケーキを切って……
帰りたいな。
ふと、そんな感情が浮かんでは消えた。
V.Execution。
銃器メーカーが提供する、有害な吸血鬼を討伐・捕獲する業者だ。
俺はそこに戦闘員「Executioner」として所属していた。
分隊はリーダーと俺を含めて5人。
リーダーは一緒に行動することはあまりなかったけど、
ほかの3人とはずいぶん親しかったみたいだ。
同居人でもあるスナイパー、茶髪で赤紫の目をしたグリフィオ。
そのグリフィオに瓜二つの弟、ドローン使いのフェニクス。
いつも無気力で何にも興味がなさそうな、
金髪でアンバーの目をしたサブマシンガンを使うノア。
共に窮地を切り抜けて、少年みたいなバカなことで騒いで、一緒に飯食って、寝て。
あいつら、元気かなあ…
俺は信じてるんだ。
人間も、吸血鬼も、ビーストも、みんな平和に暮らせる世の中になるんだと。
希望は、必ずあるんだ。
だから俺は、大きな力に抗う決心をした。
10代半ばのころ。
俺の実の両親が、離島の刑務所に移送されたと知った。
パパは隠してくれてたみたいだけど、別の重役のおっさんから聞いたんだ。
当然の事だと思った。
罪には罰が必要なんだ。
周りのためにも、本人のためにも。
怨んではない。
ただ、俺が会いに行くその時まで、精々刑務所ライフを楽しんでくれ。
そう思った。
子供のころ、自分は誰からも必要とされない存在だと思ってた。
家族には見放されて暴力を振るわれ、俺の居場所なんてなかった。
初めから望まれて生まれた存在じゃなくて、家族はおろか、
この世界に自分を愛してくれる人間なんていないんだと。
たった一人にも愛してもらえない。
たった一人にも必要としてもらえない。
それは幼い俺にとって、ひどく哀しい事だった。
怨むことすら知らなかった。
ただただ哀しかった。
俺があの時、正しい判断をしていれば。
仲間の一人。
金髪に金色の目。
いつでも全てに興味がなさそうな、無気力で物静かな男だった。
凶暴化した、変種ビーストと呼ばれるバケモノ。
そいつに体を引き裂かれて、目の前に真っ赤な液体が飛び散る。
冷たいアスファルトだけでなく、近くにいた俺も仲間の血を浴びた。
勢いよく外に投げ出されたその液体は、俺の顔に触れるころには冷たくて。
強敵が目の前にいるにも関わらず、茫然と突っ立ってる事しかできなかった。
その瞬間に鼓膜に響くけたたましい銃声。
はるか後ろにいたグリフィオ。狙撃手の同居人。
そいつが撃った対物ライフルの50口径弾が、変種ビーストの頭を木っ端微塵に弾き飛ばす。
それでも俺は声も出せずに、竦む足を折るように倒れた仲間のそばに崩れ落ちた。
開きっぱなしのうつろな目、広い傷口から溢れる赤。
駆け寄ったグリフィオに声をかけられても、揺すられても、
魂だけ抜け出たようになった俺には聞こえなかった。
目に焼きついた。
涙も、流せなかった。
俺のせいだった。
俺が、判断をミスったから。
俺が、あんなことを言ったから。
俺が。
仲間を殺したんだ。