桜宮 永遠
◆陣営 : Justice
◆名前 : 桜宮 永遠 (さくらみや とわ)
◆性別 : ?
◆年齢 : 16歳
◆身長 : 160cm
◆体重 : 45kg
◆ステータス
【*HP/7(+41)、攻撃/4(+1)、魔適/10(+40)、耐久/7(+3)、魔耐/10、敏捷/5(+5)】
◆装着スキル / SP : 300(+380)
◆
個人ページ
赤い瞳に、ふんわりとしたミディアムボブの黒髪。
後ろをちょこっとだけ掬い、誰かの瞳と同じ青色のリボンで結っている。
黒の髪や赤の瞳が映える色白で、
薄い紅を塗った唇では常に微笑みを浮かべている。
体つきは華奢だが、柔らかな丸みを帯びている。
声は適度に高く、基本的に落ち着いたゆったり感。
白いシャツ、黒いベスト。ふわふわフリルの白いスカート。
その姿は、一見女の子…清楚なお嬢様に似たものにも見えるだろう。
首の後ろに桜の烙印が押してあるが、本人はその存在を知らない。
一人称/私(わたくし)
二人称/貴方、〜さん、〜くん
ですわますわのお嬢様口調。
冷静で見た目通り物腰柔らかく清楚に振る舞い、落ち着いた雰囲気を醸し出す。
その反面、知識にないものに対して目を輝かせ、
飛びついていく子供のような好奇心旺盛な面もある。
可愛いものや綺麗なものが好き。
可愛くすることや、綺麗にすることも好き。
それ故他人との接触に抵抗がなく、髪を整えたり服装を正したりと、
お節介にも似た積極的な行動を見せることも。
記憶がないことについてはあまり気にしていないが、
時折襲う喪失感や孤独感が恐ろしく、人や物の傍に寄り添っていることが多い。
◆返還記憶-----
*(Idler Tailor:両親からの「愛している」の言葉の記憶を代償に差し出した)
こっそり聞いた、内緒のお話。
近くで生きてた誰かが、「なくなった」「しんだ」らしい。
生き物は「亡」くなるものねと、誰かが言う。
でもそれは私達には関係ないわ。
人は「死」ぬものだからねと、誰かが言う。
でもそれはあの子達にも関係ない。
生き物であることを哀れみ、人の身であることを哀れみ。
身近であった筈のその子を無関係だ何だと言い捨てるその二人に
私は何故か、自分が切り捨てられた気がして。
関係ない筈のその子が「無」くならないよう、
名前も知らないその子が「知」らぬ人でないよう、
せめて私の中で生きているようにと、祈りを捧げた。
おっきな×××さまと、おそとをあるきたい。
あったかな×××さまと、おててをつなぎたい。
おしずかな×××さまと、おしゃべりをしたい。
きらきら、ふわふわ。
えがいたゆめのなかにいる、どろだらけのおかお。
あなたたちはだぁれ?
くびをかしげふとみれば、じぶんのてもどろだらけ。
きれいなゆめも、きぼうも…そう、
私が、自分で
作り出された数多の子達の中で、自分だけが「それ」だった。
生温かく柔らかな肉の体を持っていた。
皆は冷たく滑らかな無機質の体。
心という名の意思で動き言葉を紡いでいた。
皆は操り糸がないと動けない物静か。
私だけが違っていた。私だけが「異質」で「異端」で、「異常」
胸元の核が絶えず刻み続ける命の鼓動が不安で、いつも押しつぶされそうだった。
どうして私だけが皆と違うの?どうして私だけがこんなに醜いの?
どうして私だけが独りきりで、どうして私だけが、どうして、どうして…
どうして私だけが、「人間」なの…?
優しい声を思い出す。言葉を紡ぐ、歌を歌う優しい声。
その言葉を返したくても、「お静かに」
言葉を紡ぐことは許されなかった。
その歌に拍手をしたくても、「お淑やかに」
四肢の1つすら動くことを許されなかった。
瞳は常に瞼の下。呼吸に上下する胸すら時には押さえつけられて。
服を着せてもらい、髪を梳いてもらい、化粧を施してもらって。
「愛しているよ、私達の最高傑作…」
「愛しているわ、私達の最高傑作…」
終わればいつも、額に、頬に。温かで、柔らかな優しい口付けと愛の言葉。
「永遠に可愛く…」
「永遠に美しい…」
「私達のお人形」
いくら両手を組み握って祈っても、許されることなどない穢れた身。
両親は人形しか愛せない。
「人間であることは…罪」
両親が求めたのは娘だった。
「男性であることは…罪」
いくら綺麗に着飾り、可愛く振る舞い、生気を無くし人形を真似たとしても
何も応えることは出来ず、拭われぬそれは身を蝕んでいく。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
永遠にはなれぬその身で、望まれぬ愛されぬその身で、
あぁ…あぁ、どうして?どうして?ねぇ、どうしてどうしてどうして?
どうして、桜宮 永遠は生まれてきてしまったの?
-----
あかく そまる
一階よりも下にある、秘密のお部屋で内緒のお遊び。
壁や床一面に描かれたそれを真似て、
羽ペンで、クレヨンで、色鉛筆で、指先で。
思い、想い、描いたそれらは形を持って浮き上がる。
描いた数字は時になり。止めて、進めて、そこに留めて。
描いた文字は記憶になり。足して、消して、閉じ込めて。
誰も知らない内緒の力。私を作った方から頂いた素敵な力。
「桜宮 時人」から継いだ、時と記憶の魔術。
ひとりは辛い。一人は寂しい。独りは悲しい。
語ることを許されなかった言葉にして零すそれらを、
示すことを許されなかった行動にして表すそれらを、
「彼女」だけはいつも、受け入れてくれた。
言葉をくださったわけではないのです。
ただただ誰も聞かぬ私の声を、日常を勉学を、嘆きを聞いてくださった。
頭を撫でてくださったわけではないのです。
ただただ誰も映さぬ私の姿を、人間であるこの身を、見つめてくださった。
暖かな金糸の髪。深い青の瞳。
清楚で清純、お淑やかでお利口…お優しい。
同じ顔なのに、何もかもが正反対な存在。
光と闇。全てを照らす光のような存在の彼女を、私は愛しておりました。
「刹那お姉様」
世界で唯一、私の全てを受け止めてくれたもの。
私が桜宮 永遠であることを許してくれた、唯一の「人形」
「刹那の身に余るこの名に誓い、変わらぬ想いを…永遠の貴方へ」
──刹那の名を持つ、人形の姉に関する記憶。
目が覚めたらお祈りをして、シャワーを浴びる。
同じ背丈の子達から少しずつお洋服を借りて、
今日も可愛らしくお人形さんのように身嗜みを整えて。
薄く、軽く施すお化粧はお母様の見よう見真似。
終わればにっこり、鏡の前で笑顔の練習。
清楚な立ち振舞、綺麗な言葉遣い。
一生懸命するお勉強は、少しでもお姉様のような淑女になるために。
スカートの端をすこぉし持ち上げ、丁寧に丁寧にご挨拶。
薄紅を乗せた唇で笑みを浮かべて、さぁ、
「おはようございます、お父様、お母様、お姉様」
「たたかい、なさい」
かたり、と音を立てて、彼女は私へ手を伸ばす。
頭を撫でてくれる手は強い。髪が乱れて、少しくらりとした。
「此処は、…貴方、に…やさしく、ない…」
「でも此処で、自分、で…アリた、い…なら…たたかい、なさい…」
深緑を灯す黒髪、濁った灰の瞳。
酷く傷だらけで、壊れていて。まるでお人形のような人。
たどたどしい言葉でも、割れた喉から出るその声でも、
戦う為の真っ直ぐな意思は感じ取れて。
「腕力、精神、言葉…貴方は、言葉…が、いい?」
「貴方が、貴方…で、アる…ための…呪文」
「『わたしは、わたし』」
「大事な、名前…おお、きな…武器」
「わたしは、砕花。陸地、砕花…と、いう」
「貴方…の、…名前は…?」
ひび割れた唇がふっと綻んで、笑みを作る。
私はその優しい笑みを真似して、背筋を伸ばした。
スカートの端をすこぉし持ち上げて、
さながらお人形のように腰を落としご挨拶。
けれど、『私は、私』で。そうあるための、意思を持って。
「私は、永遠。桜宮永遠、ですわ」
-----
戦う術を教えてくれた「陸地砕花」に関する記憶。
「人間だから、愛されないよ」
「男性だから、愛されないよ」
くふふ、と笑ういやらしい声。
赤い影に擦り寄られ、胸元を撫でられる。
「桜宮永遠は、愛されないよ」
どれだけ望んでもお前は孤独。
どれだけ望んでも無駄なこと。
体を這う手が首にかかって、
体温の無い冷たいそれに熱が奪われていく。
人間で、男性で、私が私であるからこその孤独。
けれど、それでも、それでも、
「私は、永遠…桜宮永遠ですわ」
私が私であるための呪文に、
影はまたいやらしく、「くふふ」と嗤った。
赤い瞳にも、青い瞳にも映らない。
この家で、私だけが無いものとして存在している。
ひとりぼっちで、一人で、独りきりで。
それは罰なのだと、赤い影が言った。
「君がそんな風に生まれてきちゃったから」
人間で、男性で、生きてしまっているから。
「君が生まれてきたことは罪で、
愛されないことは君への罰なんだよ」
どんなに記憶を重ねても、
底にあるものから徐々に忘れていってしまう。
人も、物も、大切な何かすら、いつか忘れてしまう。
人にも、物にも、大切な何かにすら、忘れられてしまう。
忘れゆく哀しみを、忘れられゆく哀しみを、
あの人は、あの人達は、酷く嘆いていた。
その哀しみを、私も持っている。
-----
だから私は
おとうさま、おかあさま。
わたくしは、おにんぎょうさんでは、ございませんわ。
真っ赤な瞳と真っ青な瞳から、
私の姿が消えた瞬間を見た。
あの時私が目を開かなければ、
あの時私が言葉を紡がなければ、
あの時私が立ち上がらなければ、
私がちゃんと「お人形」だったならば、
お父様もお母様も、私を愛してくれた筈なのに。
どうして目を開いてしまったの、
どうして言葉を紡いでしまったの、
どうして立ち上がってしまったの、
どうして、どうして…?
お父様もお母様も、お姉様も。
お屋敷のお人形さん達も、顔も名前も知らない人も。
まだ出会ったことのない全ての人も、それぞれを一番大切に思っています。
桜宮永遠の「一番」は「全て」でした。
その全ての人達が悲しく、哀しい気持ちを抱いていることが、
自分にとって悲しく、哀しいことだと思い出しました。
ぱきり、ぱきりと音を立てて崩れていく。
崩れて、崩れて、壊れて、こわれていく。
「やめてっ…お止めくださいませ!」
昨日お話をしたあの子の顔が踏み潰され、
明日お話をしようと思ったあの子の体が砕かれる。
1人、また1人と数が減って、
彼に、彼女に気に入られなかった子達が壊されていく。
傷付ける手は、傷つく手に。
傷付ける足は、傷つく足に。
やめてやめてと彼に、彼女にしがみついては懇願した。
やめてやめてとあの子達を庇っては懇願した。
どうか「こわさないで」
どうか「きずつかないで」
どうか、どうか、
どうか「しなないで」
-----
それが、とてもこわい
みんなみんな
あのきのしたに、うまっている
みんなみんな
にわの、さくらのはなになる
こわれてしまえば、きのしたへ
わすれてしまえば、きのしたへ
しんだこはみんな、きのしたへ
ねぇ、ねぇ、いかないで、しなないで
わたくしを、「 」
こわされてしんだ、あのこたちを
わすれられしんだ、あのこたちを
こわされた、このこたちを
わすれられた、このこたちを
わたくしは、
-----
なおして、きおくして
だれも、しなせない
顔を合わせ、向き合った人物は私の家族ではない。
お母様でも、お父様でも、お姉様でも、砕花さんでも、ない。
それはいつの間にか傍に来て、いつの間にか去っていく。
けれども確かに、誰よりも多く言葉を投げつけてきて、
同じ程、私も言葉をお返しした。
「こんにちは初めまして。出来損ない人形の、桜宮永遠」
「愛されもしない、望まれもしない。そんな姿でどうして?」
「どうして、桜宮永遠は、生まれてきてしまったの?」
私の首を絞める、赤い影。
くふふ、と笑う、妙に美しい、いやらしい男。
硝子細工のように今にも壊れそうに儚く、
「小生は少し、君に期待しているのかもしれないねぇ」
恐ろしい程に、さみしそうな「 」だった。
君の"衝動"とはなにか。
──誰かの平穏と幸福、すべての人が愛し愛され想われること。愛しいあなたの為ならば。
それは君の呪文の性質、君が操る事象の姿。
映し出されたのは、祝福のために贈られる花束。
幸福に微笑む人々、"贈り、見送る力"……。
君の"理性"とはなにか。
──それは自分自身。"私"が"私"であること。
それは君の持つべき杖、君を律する友の姿。
手に取ったのは、君によく似た姿をもつ杖。
誰かがそれを見て、誰でもない君自身の姿を思うことができる杖。
君の"伝えたい事"とはなにか。
──"愛している"ということ。何所へ、どの世へ、どの時へ渡ろうと。
それは君の持ち歩く呪文。君が世界へ答える解。
"その行き先へ、渡る世と巡る時へ、贈るしるべに変わらぬ愛を
刹那の身に余るこの名に誓う 永遠の想い"
慈悲のあふれるまま、愛に満ちる心を持って、君はそう唱えた。
君の"最も恐れるもの"とはなにか。
──"忘却"、忘れること。誰かが亡くなり、無くなること。
それは君が、自覚すべきこと。強大な力を操るものとして、知るべきこと。
君の契約相手として選ばれた魔女は、
"すべては色褪せ、忘れ去り、掻き消えるままに手放す" 呪いを持つ、「忘却の魔女」。
名目上、君は彼女の僕となる。けれど忘れないで。
いつでも君は、それに立ち向かうことができる経験と知恵を携えているということ。
逢えることを信じ、芯に愛を持ち、信愛と親愛を貴方に、……
"信逢の魔術師"の名を、君に。
すべての知恵に忠実でありなさい。その時こそ、君は魔術師と呼ばれるのだから。
お母様が歌っていた、お人形さん達への子守歌。
擽ったくなる程優しくて綺麗な歌を、何度も真似して歌った。
「Netter uz diel dnu zremhcs sua hcue lliw hci.」
「Tiekgiwe red tiehn?hcs dnu ehur eid nenhi tbig se.」
みんながくるしまず、やすらかに
みんながずっとそのままに、すくわれる。
「Gnilbeil oll ah…」
「Nemmokegna eis dnis redo , deil egiwe dnis eis ?」
このうたがとどく、ううん、とどかなくたって、
いとおしいみんなが、そうであるように。
お父様とお母様のちからが込められた、永遠の子守歌。
-----
(痛みや苦しみから、貴方を救いましょう)
(永遠の安らぎと、美しさを貴方に)
(ねぇ、愛しき人よ)
(貴方に、永遠の歌は届いていますか?)
「桜宮」
その名を持つに相応しく、家の敷地内はいつも春のようだった。
永遠に咲き誇る桜。刹那に散りゆく桜。
散りとて、散りとて、決して花は絶えない。
そこが、私のかえる所。
赤に近い、橙色の目。
くるりと丸いそれは夕日のようで、
瞳に咲いたそれは、とても可憐。
色味のない世界、どこか懐かしさを感じる世界で、
可愛らしく美しい見目と、
素直さに違わぬお名前をお持ちの少女に出会った。
「……いいの?」
彼女は私にとって、きっとよろしくないものだったかもしれないけれど、
貴方の言葉で、私は目を覚ましたのよ。
「それでも…またどこかから芽生え、芽吹き、花開くものよ」
その花咲く頃に、私はまた、貴方に会いたい。
綺麗なお化粧をしてもらって、ずっと座っていた。
私はお人形さん。お父様とお母様のお人形さん。
勝手に動いてはいけないから、動かない。
勝手に話してはいけないから、話さない。
それがずっと当たり前だと思っていた。
でも、お父様とお母様は知らないけれど、
私、動くことが好きですのよ。
私、話すことが好きですのよ。
私は人間ですのよ、お父様、お母様。
動かない、話さない、お人形さんではありませんわ。
ねぇお父様、お母様、私を見てくださいませ。
「人間の桜宮永遠」を、見てくださいませ。
歩けますのよ、走れますのよ
話せますのよ、いっぱい、いっぱいいっぱい、
よろこんでいただけると、おもっていたの。
「おとうさま、おかあさま。
わたくしは、おにんぎょうさんでは、ございませんわ」
「わたくしは、にんげんですのよ」
「にんげんの、とわですわ!」
私はただ、「私」を二人に見て欲しかった。
-----
それがはじまりにして、「×××」
眠れない夜はこっそりベッドから抜け出して、窓から星空を眺めていた。
一つ、二つ…数えても数え切れないほどの光の粒。
その一つ一つに名前があって、意味がある。
…同じように私にも、
存在する意味があるものだと、夢を見ていた。
空は澄んでいて、緑が豊かで。海は濃く、広く…自然の溢れる世界。
その世界にいる人々と、どこかで繋がっているであろう人々。
一日に終わりがあるように、人もまた、生きていれば終わりが必ずあるもの。
けれどみんなの過ごす時間がこの上なく幸せで、
それが永遠だと感じるものであってほしい。
例えその言葉が声として聞こえずとも、音にならずとも、
私は必ず拾い上げて其処へ駆けつけましょう。
…みんなのさいごに、必ずそこで出会えるものだと信じて。
そこに至るのだと信じて。
”永遠に至る日”
私は愛しきものすべてをまもる…”神”でございます。
「君のそれは優しさなんかじゃなくて、ただの甘さだよ」
どろりと溶けてしまいそうな、溶かしてしまいそうな程の甘さ。
わからないかな?では、砂糖が歯を蝕むように、
君は人をダメにするし、自分をもダメにするんだろうね。
愉しみだな。
そんなことを言われた記憶。
…愉しみだと言うのなら、何故、そんな顔をするのですか。