Idler Tailor
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陣営:制限なし
推奨人数:1人
推奨スキル:注視
時間:1時間程度
GMボーナス:ステ成長5pt(三回のみ重複可)
ダンジョン「無為な仕立て屋」専用のシナリオです。
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仕立て屋に服を仕立ててもらう
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探索者は拠点近くの森を歩いています。
注視などをすると、鏡で出来た小さな鍵を見つけることができるでしょう。
その鍵を拾った途端、足元がぱっくりと開いて探索者は穴へ落ちていきます。
やがて穴の底から、白い薔薇の花弁がわっと舞い、
その香りに包まれながら探索者は眠りに落ちます。
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探索者は紅茶の馨しい香りでふと、目を覚まします。
すると何故だか、貴方は忘れていた筈の記憶の全て、
……拠点に来た時に失っていたものの全てを思い出している自分に気が付くことでしょう。
探索者が目を覚ますと店の主人が話しかけてきます。
「やあ、いらっしゃい、お客さん。遠いところからよく来たね」
探索者は彼を見て、随分と美しいひとだ、と思うかもしれません。
何せ彼の顔は整いすぎて、“全く記憶に残らない”のですから。
探索者は彼が胸に差している白い薔薇の形しか覚えることは出来ないでしょう。
「ここは仕立て屋だよ、
……僕は君に……服を作ってあげようと……思って、ここへ呼んだんだ。
対価は……支払ってもらうけど、お金ではないから、……安心して」
青年は妙にゆったりとした、穏やかな口調でそう告げます。
「僕の店は……オーダーメイドなんだ。
君が……欲しい服を、作ってあげるよ。
さあ、……どんな、服がいい?」
青年はそう言うと、分厚いカタログを持って部屋の隅にある丸テーブルへ探索者を誘います。
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青年はカタログを広げながら、探索者にまず作ってほしい服の「型」を尋ねます。
ハット、コサージュ、ジャケット、シャツ、ブラウス、ワンピース、……などなど、
作ってほしい衣装の「型」が全て指定されたら、今度はそれぞれの「色」を青年は尋ねます。
この「色」によって衣装の持つ属性、ひいては効果が変わります。
*赤:炎の加護
*青:水の加護
*緑:風の加護
*紫:毒の加護
*白:光の加護
*黒:闇の加護
灰色は、白に近いか黒に近いかによってどちらかの効果を与えてください。
あとは衣装のイメージを膨らませるために、
「モチーフ」なども聞いておくといいかもしれませんね。
また、「型」や「色」は探索者側が決め切れない、
もしくは任せるとロールした場合GMの負担となります。
頑張りましょう。
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衣装の詳細を決め終わると、主人は奥の扉に引っ込んでいきます。
主人が服を作っている間、探索者は店内を見て回ることが可能です。
注視をすると、以下の情報が得られます。
・青い戸棚
棚は三段に分かれていて、上と下には戸がついています。
真ん中の段に幾つか茶葉の缶が並べられていますね。
上の戸を注視すると、冒頭に手に入れた鍵で開けられることが分かります。
戸を開けると、一枚のメモが見つかります。
そこには以下のような文言が。
『やあ、よく見つけたね。ここにあるのは一つの謎掛け。
答えが分かったら僕に教えて。少し、いいものをあげるから
君は偉大な平等主義者、君は賄賂を受け取らない。
誰もが君を知っていて、でもみんな君の顔はしらない。
君は前から嫌われ者で、でも君を待つ人もいる。
さあ、「君」は誰でしょう。』
答えは「死」です。
答えられた探索者には、
クリア後に記載してある希少報酬のうちどれか一つを渡してください。
※既に全ての稀少報酬が取得されている場合は、メモはありません。
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下の戸も同じ鍵で開けることが出来ます。
中には、封が切られた封筒が数枚入っています。(※現在二枚のみ)
探索者は不思議と「開けるならどれか一つにしよう」とためらってしまうでしょう。
白い便箋に、黒い文字。
私がいなければ、怖いと言う。
私がいなければ、楽しくないと言う。
私がいなければ、何も分からないと言う。
暗くても私はそこに居るし、
勿論明るくても私はそこに居る。
無くても私は居るけれど、
それは本当に有ると言えるのだろうか。
私は私を見ることなんてしないから、分からないわ。
あなたのそのまんまるいものがなければ
私は見えないのかもしれないし、
無くても私は見えるのかもしれない。
まぁ、人それぞれよね。
ぎょ…き…ね…きゃく…かん…
私、仲良しな友達、多いのよ。
頭だけ教えてあげるわ。
さて、私って何だか、分かった?
それは店主も未だ解いていない、謎。
誰かからの贈り物である。
答えを店主に伝えれば、
後日、手紙の送り主から正解か不正解か、答えが返ってくるだろう。
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やがて服を作り終えた主人が戻ってきます。
その際、メモにある謎解きの答えを言えば、
主人は希少報酬を探索者に与えてくれるでしょう。
(※稀少報酬は全て入手済なので、暇つぶし程度に使用してください)
不正解であった場合も、間違いだが、解いてくれて嬉しいと探索者に感謝します。
そして主人は服の対価として、「記憶」を要求します。
「記憶」に関する条件は以下の通り。
・いかなる記憶も渡せないと、断ることも可能です。
・渡す場合、代償として支払う記憶は、この企画の中で思い出すことは出来なくなります。
・企画内で未だ思い出していないものでも、既に思い出したものでも構いません。
・後者の場合、記憶スキルと関係のあるものであれば、該当スキルは使用できなくなります。
・その記憶が大切なものであればあるほど、衣装の持つ効果は強力になります。
・どんな些細でくだらない記憶でも提供することができます(ある日の昼食の内容など)。
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「記憶」を渡さない場合、衣装を貰うことは出来ません。
「記憶」を渡せば、主人は少し寂しげに、こんなことを言って、微笑むでしょう。
「分かった。じゃあ、『それ』を貰うよ、
……ふふ、うれしいなあ……僕も、“生まれていたなら”、……」
「大切なものを……有り難う。気を付けておかえり、……さよう、なら」
店主は貴方に衣装を渡すと、
胸元に挿していた薔薇を引き抜き、ふっと、息を吹きかけました。
途端、白薔薇の甘い香りが強く貴方を包み込み、
来た時と同じように、貴方は眠りに落ちます。
……やがて、夢が覚めると。
貴方は見知らぬ衣装に身を包み、拠点近くの森の中に、倒れていました。
何かひどく大切なものを、失ったような、……奇妙な喪失感に、どこか心を揺らしながら。
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シナリオ内では「主人」「店主」などと呼ばれる。
“生命”として存在することを許されなかった、美しい青年。
あまりに整いすぎたその顔は、それゆえ全く記憶に残らず、
探索者は彼の胸元に挿された白い薔薇の形しか覚えることが出来ない。
上品で、おっとりとした喋り方。文節と文節の間に頻繁に間が空く。
生まれることすら出来なかったため、現在超自然的な存在となっており、
彼に対して危害を加えようとすれば強制的に排除され、クリア失敗となる。
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▼PL報酬
「探索者専用の衣装」
メモにある謎掛けを解き、その答えを主人に伝えれば、以下の希少報酬のうち一つが貰える。
*白薔薇のイヤーカフ(取得済み)
耳に沿って白い薔薇が巻き付いて見えるよう、デザインされたイヤーカフ。
自身が「愛情」スキルを装備していない場合のみ、
1セッション中1d3回自身の攻撃を光属性魔法攻撃に変換/魔法攻撃を打ち消しできる。
どちらの効果を使っても良いが、使用可能回数は効果ごとではなくまとめて数える。
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「恋をするには若すぎる」
それは、白い小輪の薔薇の花言葉。
*両顔の仮面(取得済み)
二つの仮面を繋ぎ合わせたように、前後に顔のついた石膏のチャーム。
セッション中、状態異常「洗脳」「石化」をそれぞれ一度だけ無効にする。
*右の片翼(取得済み)
片翼を模した髪飾り。鏡でできている。
事物の「真の姿」が映る。「真の姿」の定義はGMに任せる。
人外であればそれを示し、時には人の本性を暴くという意味で
「精神分析」や「天啓」と同効果を得ることもあろう。
また、この髪飾りはセッション中一回だけ魔法攻撃に限り跳ね返すことができる。
跳ね返す先は誰でも構わない。
*左の片翼 (取得済み)
片翼を模した髪飾り。透明な硝子でできている。
この髪飾りを透かして見ると「透視」と同効果を得られる。
加えて髪飾り越しに魔法攻撃を見ることで、
1戦闘につき1度だけ「見切り」と同効果を得られる。
また、この髪飾りはセッション中一回だけ物理攻撃に限り跳ね返すことができる。
跳ね返す先は誰でも構わない。
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