『…ぅん』





目を開けて周りを見渡した。





『森…って言うよりも山…よね?』





とりあえず皆を起こそうと思ったら蜜柑が目を覚ました。
唖然と山の方を見ていた…





翼「う゛…」



蜜「あ!翼先輩っ」



『棗…流架くんも起きて』




何とか2人を起こして…





翼「穴を通る際の衝撃で気失ったのか俺等……それにしてもここ…どこだよーー!!」





翼がブツブツ言い出し始めた。
棗は何だかボーーっとしていた…



とりあえず森の情報が必要…棗が流架くんに頼んで動物達に聞いてくれている。





翼「しかし山って…Zもやっかいな場所に逃げ込んでくれたよなー」



棗「ルカ何かあったか?」



流「ううん…ここらへん山ばかりで民家らしきものはほとんどないみたい」



『多分ここら辺にZ関係の私有山かなんかでしょうね…』



翼「ここに逃げ込んだってことは奴等のアジトがあるって事なんだろうけど…どっちにろ俺達の猶予は明日の夜までさっきまで寝こけていたロスはかなりいてー、今はとにかく情報集めて奴らの足跡を追うしかねぇその為にまずグゥーーーーー





蜜柑のお腹の音が盛大に鳴った。



そんなにお腹空いてたのね…
そう思っていたら食料探し?をしようと思ったら蜜柑がリュックを開けた。



リュックの中から丸いかたまりが出て来た。



皆、目を見開いて丸い物を激視していた…
つかアレ何??



丸い物がムクムクと元の形に戻った。
ペンギン??



ペンギンは蜜柑を見て嬉しそうに鳴いて飛びつこうとした瞬間…



バコン




と、棗に殴られた。





棗「で?…コレのどこが非常食なんだ?」



蜜「ペンギー!何でついて来ん?」



ペ「ぺ-、ぺぺぺぺ、ぺぺ-」



蜜「え? うん、ふんふんふん」





蜜柑の様子に流架が恐る恐る問いかけた。





流「何言ってるか、分かるの?」



蜜「『蛍が…』…蛍が『行け』って…」





蜜柑の言葉にみんなの視線が集まる。
蜜柑は続けた。





蜜「『蛍のために役に立ちたくて、仇とりたくてきた』って…何となく、そんなカンジの事言ってる気がする…」





棗はイラついたらしくペンギー同様頭を殴られた蜜柑は地面にうずくまっている。
痛そう…





棗「さっさとZ追うぞ」


棗と流架はさっさと足を進めた
蜜柑もペンギーを抱いて連れていこうと立ち上がる。





棗「そいつは置いてけよ」



蜜「えっ」





顔を上げると先に進んでいた棗が振り返って蜜柑を睨み付けている
蜜柑は叫んだ。


蜜「何で!?」



棗「そんな足手まとい連れて行けるか遊びでここに来てるんじゃねぇんだぞ、この先何があるか分からない状況下で役たたずが1匹増えればそれだけ危険も増える」





棗の言葉は正しい。
私の体がいつまでもつか分らない今、正直言って100%守れる保証はない。




蜜「な…そんなん分からへんろーー!?ここ来る前だってアンタらペンギーの持ってた道具に助けてもらったりしてたくせに!!」



棗「だったら絶対足手まといにならないよう責任持ってお前そいつの面倒見れんのかよ」



蜜「見るよ」





蜜柑と棗はお互いフンッとか言ってケンカムード…
そして私は思わず言ってしまった。





『ほんと…餓鬼ね』





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