過去
潮の臭いがする…
ここは…どこ?
『…』
ゆっくり目を開けると目の前に玲生がいた。
玲「やっと目が覚めたか?」
『……棗は?』
玲「…あっちにいる、他にも着いてきたけどな」
『…(………蜜柑とかだったら嫌だよ?)』
玲「…おい、ガキ目覚ましたか?」
あー…どーするよ…
私にできることは…
『ねぇ、これほどいてよ』
玲「あぁ…」
腕を縛られてた為レオにほどくように頼んだ。
意外とあっさりほどいてくれた。
すると部下が控えめに玲生に話始めた
部「あ、組織の方と連絡とったんですが…」
玲「なんて?」
部「本日の玲生さんの行動について思慮に欠けるのと、他の幹部の方々、お怒りの様子で…」
部2「…だから言ったでしょう玲生さん、あくまで俺達は学園の内情を探りだけの使命しか…」
玲「何が“思慮に欠ける”だよ、こんな千載一遇のチャンスあいつらだって同じ立場にいたら絶対そうしてたくせに」
『…』
あー…嫌な会話。
もし餓鬼に聞かれてたらどうすんのよ…
とりあえず棗の様子でも見るかな…
実奈は棗が居るであろう場所にゆっくり向かう。
玲「密輸船は?」
部「今夜2時それまでは学園側にみつからないようここで待機との命令です」
玲「…実奈も来るか?」
『…遠慮しとくわ』
玲生は実奈の後を追うように棗達が居る所に来て棗の顔を足で動かした…
玲「…こいつがあの'黒ネコ'ねぇ」
『…(やっぱり蜜柑だったか…しかも起きてる?)』
部「あの…何ですか?その'黒ネコ'って」
玲「'黒ネコ'ってのはこいつの裏世界での通称、こいつはアリス学園の影の産物、闇工作員さ」
あぁ…なんかイライラするなぁ…
大体何でこんな会話蜜柑達に聞かせる訳?
…あ、起きてることに気づいてないからか。
玲「弱冠10歳で異例の幹部生、発火能力で絶大な潜在能力を持った天才アリス、こいつが何で組織のブラックリストに載ってるか知ってるか?2年前わずか8歳の時、こいつは自分の住んでた街全域を一夜にして火の海にしたんだ
国に揉み消されて世間的にはただの放火として事件は迷宮入りで片付けられたけどね」
『…くっだらない』
玲「そーゆう実奈は6歳の時に学園側からの命令で企業、団体、組織を潰したんだろ?仕事はいつも1人でやる、しかも無傷で帰ってくる…お前はとっくの昔にブラックリスト入りだ」
『それぐらい…知ってる』
玲「今は棗と2人で仕事をしてるんだってな…あぁ、実奈の通称は'風鬼'だったな…」
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