ありがとう

蜜「実奈先輩もう大丈夫なん!?」



『うーん…まだ分かんないかな?』



蜜「…」





蜜柑は泣きそうな顔で私を見つめてくる。
蛍も棗も流架も皆、泣きそうな顔

皆をそんな顔にしてるのは私なんだよね…





『…そんな顔しないでよ』





小声で言ったつもりだったけれど私の声はやたらと響いた。





棗「……お前がやたらと白い顔してるからだろ」



流「棗…」





そんなに私、青い顔してるの?
この部屋鏡ないからなー…





『…まぁ、さっきまで生死の境にいたし?』





いつもの様に言った、けれどそれは逆効果だったみたいで…





「何でそんな風に言えるんだよ!」



「翼っ」



殿「翼!落ちつけって!!」






翼は私に掴みかかろうとした。
美咲と殿内は翼を制している…



私はどうしたら良いのか分からず鳴海に視線を送るが無視された。
多分、自分で考えろって事なんだろうけど…





『あーー…あのさ…』





気まずそうに頬を掻きながら全員に視線を送る。
皆は私の方を見る、翼も冷静になったのか静かに私を見つめてきた。





『私…もう時間がないんだ』





言葉の意味はココにいる全員が分かる事。
皆それぞれ反応をしめす





櫻「……時間がないってどうゆう事?」




秀一は皆が聞きたい事を代表して聞いてきた…
なんだか可笑しくて私はつい笑ってしまった。




『そのままの意味だよ?私は下手したらあと数時間で死ぬ』




私の言葉に秀一はグッと手に力を入れたのが分かった。





『それでさ…皆にお願いがあるんだ』



鳴「お願いって…」



『コレ…ここに居る皆に』





枕の下から袋を取りだす。
中には私のアリスストーン





『ここにいる皆は私にとって大切で大好きな人達だからさ…』





笑う…
皆の中に残る私がいつでも笑っていてほしいから。





蜜「実奈先輩…!!」





蜜柑が抱きついてきた。





『どうしたの?』





蜜「うち…いやや!実奈先輩が居ないなんてっ」



美「私もっ私も実奈先輩が居ないなんて…っ」





蜜柑に続いて美咲も私に抱きついて来た。
2人共泣いている…心なしか皆、目が潤んでいる




『ありがとう…ホントっに…!ありがとうっ』




鼻声になってしまい私が泣いてるって事がバレてしまう。
泣き顔を見せたくない私は美咲の肩に顔を埋めた…



ギュウッと腰に抱きついてる蜜柑と前から抱きついてる美咲が抱きつく力を強めた。





こんなにも生きたいと思うのに
私の命の炎は少しずつ…確実に小さくなっていく。


泣きたく無かった、笑っていたかった。
でも…何よりも…皆を悲しませたくなかった―――



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