意識を飛ばした。



うん、確かに私は意識を飛ばしたよ??
でも何で私は意識があるんだろ……あ、夢か



にしても…





『何で白いのよ…』





とにかく白。
足下も白





『影すらないか』





あれ?じゃあ私は死んじゃった感じ?
えーー…私まだ皆に言いたいことあったのに…
コレじゃ死んでも死にきれないって!!





その思いが通じたのかどこからか声が聞こえてきた。





「先生!!心拍数が下がってきてますっ」



「なに!?」





いや…私まだ生きてんのね…
先生…最後まで迷惑かけます。




≪で、君はこのまま死ぬつもりかい?≫



『…あんた』



≪アレ?分かるの??≫



『どっから来たの』



≪……アハハハハ!!期待した私がバカだった!≫





目の前に急に白いモヤが現れだんだん人のかたちになっていく…





『…で、何よ』



≪あーはいはい…私はあんた、それは何となく分かるでしょ?≫



『まぁ何となくわ…私自身じゃなくて私のアリス…じゃない?』



≪あら?そこは分かるのね≫



『…勘だったんだけどまさか当たるとか…』





モヤは私になった…
何かキモい。





≪…本題に移るけど良いかしら??≫



『もちろん』



≪条件次第であんたを生かしてあげるわ≫



『唐突だな!…で、条件って?』



≪あんたの記憶を全部消す、もしくはこのまま死んでアリスで生き返るかよ≫



『記憶と引き換えに私を今のまま生かす、私が一回死んで人生をもう一回やり直すって事で良いの??』



≪えぇ…≫



『けど一回死んでやり直すのは今の状況と変わらないじゃない』



≪…あ、バレた?≫



『普通にわかるわよ』



≪うーん…ならやり直す方は今の身体の寿命を少し伸ばすってのは??≫



『…流石私、話が分かるじゃない』



≪仮にもあんただからね≫



『なら私が後者を選ぶのも分かるでしょ?』



≪そりゃ…≫



『…じゃあヨロシク』



≪ハイハイ…≫



『30分あれば充分だから』





ニコリと私が笑った。



私は目を瞑る…
するとだんだんと身体が重くなってきた





「先生!!朝月さんが目を覚ましました!!」



「朝月さん!!分かるかい!?」



『…』





手でオッケーサインを出したら先生が笑って私の頭を撫でた。





『ケホッ…先生、今何日?』



「…君が病院に来て1週間だ」


『うっわー…鳴海先生は?』



「今日は今井さんが退院したから…その後に来ると思うよ?」



『そ……』





フーっと息を吐く…
30分で良いとか言ったけど結構時間をくれたみたいね。



しばらくボーッとしていたら急に扉が開いた





鳴「実奈ちゃん!!」



『あ、鳴海先生ー』



鳴「…」



『あはー…ご迷惑かけました』



鳴「本当にな…」



『…戻して良いの?』



鳴「俺の勝手だろ」



『……皆に私の事言った??』



鳴「あぁ…」



『じゃ、後10秒で皆来るね』



鳴「は?」





ガラッ




翼「実奈先輩!!」





10秒経ったと同時に翼を先頭に皆が病室に入って来た。



私は自然と笑顔になった。





『皆、ありがとうね』






心配してくれてありがとう。
傍に居てくれてありがとう。

好いてくれてありがとう。
慕ってくてありがとう。



どんなにありがとうを言っても言い足りないぐらい皆に感謝してるよ





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