ただいま

私はギュウッと目を瞑った…
近くで壁やら天井が崩れ始めたようだ。





『…行こう』



翼「っ…はい」





翼と蜜柑は私の下から抜けた、私も背中に乗っている瓦礫を背中から滑り落とし流架と棗の元に行く。

後ろで蜜柑の泣きじゃくる声を聞きながらZのアジトを出た。










『っ』





背中がズキッと痛んで目を開けた。
そこは、この森に入った最初の場所…



隣で誰かが起きた。
そちらに視線を向けたら蜜柑が空を見ていた…
次に翼が起きた。





翼「蜜柑…」



蜜「ペンギーーー…?先輩ペンギー…」



翼「………」



蜜「ウチ…ペンギー助けに戻るよ」



流「佐倉…」



蜜「ペン……」



「みかん」





翼が蜜柑の肩を掴んだ。
私は2人を見つめるだけ…





翼「目覚ませ、もう…あいつはここには来れないんだ」



蜜「先ぱ…」



翼「……あいつは分かっててお前を…俺達をあの状況の中、助けるために手を離したんだ」



蜜「でも…っ」



翼「……分かれよ蜜柑………分かってくれよな……」





翼は蜜柑を優しく抱きしめた。
私は蜜柑の頭に手を乗せ、撫でた…





蜜「うそ………うぅ……ペンギー…」



『…』



棗「…実奈?」





小さく棗が私の名前を呼んだ。





『………』



昴「実奈っ」



『…昴?』



昴「良かった…」



『あーー…』





昴に抱きしめられた。
秀一も殿内こちらを見ていた…





『……昴…痛いんだけど』



昴「あ……」





昴は我に返ったように私から体を離した。




秀「ケガは?」



『大丈夫…』



翼「背中…」



『翼…』





声のした方を見ると翼が起きたばっかりなのかボヤーッとしていた。





『…私は大丈夫だからあの子達の方よろしく』



秀「……行くの?」



『うん』





私と秀一の会話の内容が分からないせいか翼と殿内が眉間にシワが寄っていた。
フッと笑ったら翼がギョッとした。

え?意味分かんないんだけど…





バコんっ





『いっ!』





背中を蹴られた。
この蹴り方は…





『痛いじゃないの…棗』



棗「お前が強がってるからだろ」



『………』





翼がギョッとしたのは棗の行動でだろう。
…それにしても背中イタイ。



私は棗を睨んだが睨み返されたのでやめた。
昴は翼と棗にアリスを使っている…




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