別れ

棗「この…」





棗は利き手じゃない方の手に火を出し、まだ戦闘を続ける…
だが右足を石化さた





棗「……っ!!」



御「まだまだ」





御原は喉をくつくつと鳴らす





『な…つめっ』





上手く声が出せなかった。
だけど棗は私の声が聞こえたのか振り向いた





『に…』



御「次は…」



蜜「やめろっバカ!!」





逃げろ
そう言いたかったが蜜柑が御原に掴みかかったせいで言えなくなってしまった。





御「な…このガキっ」





蜜柑にアリスを使おうとしたが蜜柑には男のアリスが通用せず更に苛立っている御原。





御「この…忌々しい無効化が…安積君、黒猫のアリスを盗みなさい弱った子供たった1人だ…いかに無能な君でもそれくらいお手のものでしょう」



『…っ』





御原に従って柚香さんは崩れかかった火の壁を通って棗の前に立った。





翼「棗にげろっ」





翼がすぐ傍で叫んだが棗は動く気配を見せない
柚香さんが手を伸ばす…





蜜「棗っ」



翼「何してる!逃げろよバカ」



『棗…?』





棗の額に柚香先輩の指先が触れる…





『ダメっ』





実奈は棗の手を引っ張り自分の方に引き寄せた
棗は腕を引かれたせいでバランスを崩し実奈の腕の中に納まった



柚香先輩は一瞬驚いた顔をしたがすぐに元の顔に戻した。





柚「退きなさい…盗るのは後ろの子のアリスだ」



『なら…私のアリスを盗ればいいよ』





柚香先輩は私に手を伸ばした。
あと少しで柚香先輩の手が私に触れる…





パンッ





棗「ハァ…ハァ…」





寸前の所で棗が柚香さんの手を払った。





『棗っ!』





柚香さんは棗の手を掴みアリスを盗ろうとした。





「手をはなせバカ―――ッ!」





蜜柑の声が響いた
柚香先輩は棗の腕を掴んだまま動きを止め、蜜柑を見つめた。



どうやら…蜜柑の無効化で盗れないみたいだ
今だと言わんばかりに棗が私の手を握って来た。





『「みかん!ふせろ!」』





棗と同時に蜜柑の後ろにある大モニターを爆破した。
だてに一緒に仕事やってないわよ





翼「蜜柑!!」





爆破で崩れた壁などの破片が蜜柑に襲いかかる





翼「棗っっ」



棗「おい、助けにいけよ」





棗は柚香先輩に声をかけていた。
きっと何処かで聞いたのだろう…柚香先輩と蜜柑の事を



そうやっている間にも蜜柑に襲いかかる破片たち
それを助けるかのように志貴さんがテレポートで蜜柑を抱え私達の所に来た。





「だめです幹部っ命令系統が半壊状態です!このままでは緊急時の自爆スイッチが作動してしまいます!!」





蜜柑の無事が確認されたと同時に入ってきた研究員の声。





御「くそガキ共…!!」





その報告に青筋を立てた御原の荒い声が聞こえてきたがそれはすぐに呻き声に変わった。
柚香先輩が御原をナイフで刺したのだ。





柚「すみません、御原さん」



御「貴様…っ」



柚「急所は外しました、早々に処置すれば命に問題はありません」



御「き…」



柚「出血で朦朧としてくるハズです、アリスは使用されない方が身の為でしょう」



御「貴様…っこの裏切り者が…っ」





御原を刺したナイフを持って私達の元に戻ってきてそのナイフを差し出してきた。




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