突き放されて抱きしめられる。 『好きですっ』 「………」 私は今、大好きな先輩に58回目の告白をした。 先輩は無言で私を見つめて来る。 「毎日よく来るな…」 『だって先輩が大好きですから』 満面の笑みで私は返した。 今井先輩は表情を一切変えない… それが悲しかったりする… 『…先輩は私が嫌いですか??』 「…いや」 絶対に今井先輩は私の欲しがっている答えをくれない。 どうして?? 私が蛍ちゃんと歳が近いから?? ぐるぐると不満が渦を巻いて大きくなる。 好きじゃないなら突き放して、少しでも私を好きなら受け入れて… どんどん心が乱れていく。 『…今井…先輩っ』 「………」 今井先輩は無言で私の頭を撫でた。 私は驚いて今井先輩を見上げた。 クスッと笑った… その瞬間なぜか涙が溢れた。 理由は分からないだけど… 「泣くな…」 『だっ…せんぱっ』 ギュッと抱きしめられた。 暖かくて…落ち着く…。 「絢奈…」 『先輩…わ…たし…期待…しちゃいますよ??』 「…構わない」 『………それって』 「好きだよ…絢奈」 また涙が溢れた。 突き放されて 抱きしめられる。 「すまない…意地悪しすぎたな…」 『本当ですよ…』 「………」 『せ、先輩!?』 「…キスしても良いか??」 『えぇ!?』 next あとがき 20120110 [モドル] |