不意討ちの…

『なーつめ!!』



「何だよ…」



『暇ー…』



「知らねー…」





そう言って寝てしまった棗…



つまんない。
せっかく神野の授業サボってるのに



私はかまって欲しくて棗の髪を弄る。





「……何だよ」



『……かまって』





そう言ったら一瞬、嫌そうな顔を見せた棗。
私はムッとした。





『分かったよ…棗は寝てれば??』





そう言って立ち上がる。



邪魔なら邪魔だって言ってよ…
バカ棗。



溢れそうな涙を隠すように空を見上げる。





「待てよ」





そう言って私の手を掴んだ棗





『な、何??』



「…」



『キャッ』





棗は無言のまま私の手を自分の方へ引っ張った。
気が緩んでいた私はそのまま棗の方へ背中から倒れる。



無意識にギュッと目を瞑る。



くる筈の衝撃がいつまでたっても来なくて私はソッと目を開けた。



すると後ろから手が伸びてきた。
その瞬間、棗に後ろから抱きしめられていると実感した。



顔が…熱い





「…俺の見える所にいろ絢奈」





そう耳元で囁かれた。





『…は…ぃ…』





そう答えると棗はクスッと笑った。





『な、何で笑うのよ!!』



「別に」



『ウソよ…何??』





首を動かして後ろにいる棗を見る。





チュッ





リップ音が近くで聞こえた。



棗の顔が目の前にある…



キスされた。
そう思った瞬間、顔から火が出るかと思う程に顔が熱くなった。





「真っ赤…」



『棗せいだよ…』



「…知ってる」





そう言ってまたキスをした。



不意討ちの…
『あ、あの…』



「何だよ…」



『な、何で私 押し倒されてるの??』



「さぁな」



『ちょっ…ン…ム』




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20120115

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