サプライズ
「今日も良い天気やなー」
『そうやなー』
「『………』」
白石と二人で椅子に座り空を見ながらお茶を啜る。
バシン
「自分ら年寄りかっ」
そう白石と私にツッコンだのは謙也だ。
因みに叩かれたのは白石だけ
「痛いやろ!!」
「自分等がしょーもない会話しとるからやろ!!」
『ちょ、全国のお年寄りに謝り!!』
「なんでやねん!!」
『私と白石はお年寄りの気持ちを体験しよう言うて日向ぼっこしてたからに決まっとるやろ!!』
「なんやねんそれ!」
ギャーギャーと謙也と言い合いをし
すっかり白石の存在を忘れかけた時…
「あ、せや」
『…なんやねん』
「今日の放課後テニス部の部室に来ること!って小春に伝言頼まれとったわ」
『何で忘れてんねん…』
「…自分等のせいやろ」
『…早よ席つかんと先生くるで?』
にっこり笑って教室に掛かっている時計を指差す、同時にチャイムが鳴った。
謙也は何か言いたそうな顔をした後、自分の席に戻って行った。
白石は既に席についてる。
『今日は何も変わらん１日やろうな…』
今日は私の誕生日。
白石も謙也も"おめでとう"とは言ってくれてない。
友達からはおめでとうメールが朝から来ていたけど…
『期待したらダメやな…』
一年の頃から白石達テニス部とは仲が良い。
だからたまにテニス部の臨時マネをやったりした…
せやのに何で…
そう思ったら悲しくなった。
こんなん私らしくない!!
切り替えるんやっ
意気込んだ後、私は四時限目が終わるまで授業を真面目に受けた。
席の近い友達とも話さず、ノートに落書きもせず、ただ真面目に授業を受けた…
友達には「珍しく真面目に授業うけとるな…」とか苦笑いされた。
『何か…刺激が足りへん…』
「えっ…刺激って…絢奈ってば大胆やな〜」
『え、何か勘違いしてへん??』
「んふっ」
ニヤニヤする友達。
え、なに考えてるか分かり過ぎて逆に怖いんやけど…
そう思いながら最後にチョコプリンを食べた。
『うー…疲れた…』
「絢奈、今日テニス部来るんやろ!」
『うん…』
「ﾊｧー…鞄持ったるで早よ行くで?皆待ってる」
『んー…』
数学、体育と体力も脳ミソもすり減った私は白石にズルズル引きずられながらテニス部の部室に向かった。
廊下でスレ違う人達みんなが私と白石を見てニヤニヤしていたとかは知らないふりだ。
「絢奈 連れて来たでー」
「蔵りんお疲れ様っほな絢奈ちゃんは私と一緒にお着替えしようか」
『ハッ!?』
「ほらほら!!蔵りんは出て出てっ」
小春に追い出される白石…
え、頭がついていかないんだけど!!
くるり、小春が私の方に向き直り…
「ほな着替えようか」
ゾクッ
『ギャァァァ!!』
『…もうお嫁にいけない』
「大丈夫よー!!蔵りんが引き取ってくれるからっ」
『……それにしてもこの格好何なん?』
「そ れ は お 楽 し みっ」
ぱちんっ
とウィンクをして小春は部から出ていった。
『にしてもこの格好…』
今、着ているのは白のフリフリのワンピース。
だけど小春に脱がされるとは思わなかった…
あー…お嫁にいけない。
ガチャ
部室のドアが開き自然と私は視線を向けた。
"絢奈 誕生日おめでとう"
そう書いてあるケーキを持っている光…
ニヤニヤして私を見つめるテニス部レギュラー。
光が机の上にケーキを置いた。
私はただ唖然と皆を見詰めるだけ。
「絢奈先輩めっちゃアホ面ですよ」
『なっ!!』
光にそう言われた。
何だか恥ずかしくなり顔が赤くなるのを感じた
シャッ
カーテンを銀さんと小石川くんが閉めた。
ケーキに刺さってるロウソクに火を点ける一氏…
ニコニコしてケーキを見つめる金ちゃん
全ての準備が整い…
｢｢｢happy birthday絢奈!!｣｣｣
サプライズ
『ありがとう！でも次はもっと分かりにくく…』
「なぁなぁ!!ケーキ食べて良い!?」
「しゃーない切ったるわ」
「よっしゃー!!」
「あ、絢奈先輩これプレゼントです…」
『へ…あ、ありがとうっ』
「べ、別に大した物ないですから…」
「何、抜け駆けしてるんや光!!」
「蔵りん落ち着きー!!」
「「(俺達忘れられてる?)」」
「ジュース買ってきたでー!!」
「「おさむちゃんナイス!!」」
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