ちょっと待て


結局、蛍ちゃんは1週間の降格処分になった。
そんな事があった次の日、週に1回の初等部、中等部合同授業の日だ。





「なーなー蛍は何系?」



「技術系」





ボーッとしていたらそんな会話が聞こえてきた。
どうやら蜜柑ちゃんが皆に能力別クラスを聞いているみたい。



鳴海先生が蜜柑ちゃんに能力別クラスの説明をしているのを聞き流しながらキャンディーを口に含んだ。





「………みそっかす集めたみたいな扱いやねえ特力系…ところで先生ウチは何系?」





じっと蜜柑ちゃんを見つめる蛍ちゃん、委員長、鳴海先生…私も何となく見つめた。





「えっ何!?ウチもしかして"特力系"なん!?み…みそっかすー!?」



「いや、誰も"みそっかす"とは言ってないよ?それと雛ちゃんも特力系だよ」



「え!?」





バッと振り向いて私を見た蜜柑ちゃんにビクッとしてしまった。





「雛ちゃんも特力系!?」



『う…うん』





そんな流れで蜜柑ちゃんと一緒に特力系の教室に向かうことになった。





「何だかとっても怪しいよう特力系…」



『そ…そうかな?』



「そうやて!!」



『アハハ…』



「あ、そういえば棗…あいつってば何系なんやろ?」



『棗くんは…』



「危険能力系だよ」





心読みくんがそう言って通っていった。



蜜柑ちゃんは危険能力系について思い出しているのか上の空だ。
私は蜜柑ちゃんより遅く歩きながら空を見ていた。





「わぁ!!?な…っ」





空から視線を外し前を向いたら蜜柑ちゃんの前に棗くんがいた。





「そこにいるのか」





その声が聞こえてきた瞬間、棗くんは蜜柑ちゃんの口に腕を押さえつけ隠れた。



え、私はどうしたら良いの??
そう思って突っ立っていたら声が近づいて来た。





「いるなら大人しく返事をするんだ棗…棗」



『……どうも』



「……棗をみなかったか??」



『あー…』





答えない方が良いよね…多分。
私は目の前にいるペルソナさんを見て





『すいません…見てないです』



「……そうか」





それだけ言うとペルソナさんは棗くんを捜しに向かった。





「ぶはーー!!」





私は蜜柑ちゃんと棗くんがいる路地に向かった。



棗くんに蜜柑ちゃんが何やら文句を言っている所だった。
私は蜜柑ちゃんを無視して棗くんの前に立った。





『あれで良かった?』



「………ああ」



「雛ちゃんには答えるのにウチは無視かコラー!!」





早く特力の教室行きたい。
そう思って蜜柑ちゃんを見たら移動中であろう中等部の方々がこちらを見て何か言っている。


私は中等部の人達に"幼稚だな"とか思って見ていたら棗くんが立ち上がり去ろうとした。





「おい、待てよ人殺し」





その言葉を聞いて一瞬"あの日"を思い出した。





「言っとくが俺達はお前みたいな"危険能力"幹部生だなんて認めてないからな、天才とか言われて調子に乗ってでかい面してんじゃねーぞ」



「………」



「大体お前が幹部生でいられるのは只"ペルソナ"のお気に入りってだけの事なんだからな」



『うわー…それでも貴方達、中学生??』



「あ?」



『私が聞いてたら貴方達の言ってること只の妬みにしか聞こえませんよ?』



「なんだ、わ!」





いきなり火が現れ1番偉そうな態度の人の服に火がついた。





『棗く』



「おい、誰かペルソナをここに…」



「呼ぶなら呼べよ、奴がここに来る前にお前ら全員黒コゲにしてやる」





その時の棗くんの瞳はとても怖かった。
ゾッとして…足が震えた。





「まてコノヤロウ!お前この女どーなってもいいのか!?」



「なんでじゃー!!」



「てめーの女見捨てる気か!?」




そんな中等部の人に棗くんは馬鹿にするように笑って去っていった。



ちょっと待て
この状況まずくないか??
もう!!棗くんのバカ!!ハゲ!!
私は逃げる!!




20120426



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