違うからこそ


次の日のお昼休み、私は委員長と蜜柑ちゃんに連れられて鳴海先生の元へやってきた。



どうやら蜜柑ちゃんが朝、遅刻したらしくペナルティとして"ゴミ箱のゲロ掃除"をするらしく何故か私も参加させられた。



蜜柑ちゃんと委員長が逃げ回るゴミ箱を追いかけているのを尻目に私は空を見上げる。





「おーやってるやってる」



「うえーゲロ掃除かよー」





そんな会話が聞こえ視線を移す。
男子達の中心に棗くんと流架くんがいる、何やら蜜柑ちゃんの話をしている様だが丁度、蜜柑ちゃんに呼ばれ聞き損なった。





『うわっ…』





ゴミ箱のゲロは思った以上に臭かった。
私は鼻を摘まみながらも手伝い何とか終わった。





「はい先生っこれ、じーちゃんへの手紙!!」





掃除が無事終了し蜜柑ちゃんが鳴海先生へ手紙を手渡し鳴海先生を拝んでいる。
私は疲れて近くの柱に凭れかかる。





「昨日より元気になったみたいだね」



「うんっウチ1日も早く"星なし"から脱皮してじーちゃんに会って安心させたげたいねん"星なし"が最悪の立場ならこっからは良くなる方向しなないもんね!!ウチ頑張るねっ」





蜜柑ちゃんと委員長はごみ袋を手に走って行った。
私は小さくなっていく蜜柑ちゃんの背中を見つめる…





「"踏まれても、踏まれても"似てるな……」



『………先生、私が居るの忘れてます??』



「………」





ニッと鳴海先生に向かって笑い私は教室に向かった。





『やっぱり違うな…』





小さな私の呟きは簡単に消えて無くなった。



心が冷えて行くのを感じながら教室に入って席に座る。
蛍ちゃんに何か言われた気がしたが私は聞こえないフリをして机に伏した。

















バチッ
そんな音が聞こえクラスがザワついた気がした。



私はゆっくり顔を上げ音がした方を見た。
神野先生が何か蜜柑ちゃんに言っている、何を言っているのかは分からない。



神野先生が杖を構えた。
アリスでも使う気なのかと見ていたら蛍ちゃんが鏡を蜜柑ちゃんに向かって投げつけた。



次の瞬間バチンッと音が鳴った。
反射的に目を瞑ってしまった私は目を開けると力なく横たわっている神野先生が目に入った。





「自分のアリスで気失ってりゃ世話ないわね…バカはお前だっつーの」



『かっこいー』





棒読みでそう言ったら周りが医務の先生呼んだ方が良いんじゃない??と騒ぎだし蛍ちゃんは蜜柑ちゃんの手を引いて教室から出ていった。





『…若いって良いわねー』





なんて良いながら神野先生をつついてみた。



違うからこそ
何か最近ネガティブかな…
いや、元から??
まあ、いっか…




20120328



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