本音


あれから思う存分泣いた私は初等部B組の教室に向かった。



泣いたらスッキリした。
やっぱり溜め込んだらダメだね!!



そう思いB組のドアの前で目が腫れてないかケータイで確認してから中に入った。





「ヘンタイちかん男ーーっ」




『うるっさ!!』





中に入った瞬間、誰かの叫び声が耳に入ってきた。



まったく…
誰よ、うるさい。
そう思ってクラスを見渡すと蜜柑ちゃんが息を乱していた。

私は迷わず蛍ちゃんの隣の席に座った。





「あら、今までドコに居たの??」



『ん…チョットね…』





そう返して蜜柑ちゃん達の方に意識を集中させる。





「なに言ってんだこの女、痴漢ってのはバカが下心もってやるから"痴漢"なんだよ、お前相手に下心もくそもわくかよ」





関わらない方が身のためだ。
そう思って隠れるようにしてドアの方に向かう。





「謝れバカーーーっ」





蜜柑ちゃんの叫びを気にしないでドアに手をかけた瞬間クラス中が静かになった…





『え…』





蜜柑ちゃんが浮いていた…
先生は真っ青になって倒れていた。
周りも真っ青だ…





『な、棗くんやめなよ!!』





普段より少し大きい声で言った。
届いたのかいないのかは分からないが棗くんがチラッとこちらを見た。
おかっぱカールが何か言っている…





「……降ろせ」



「はい棗さん」



「…そういう優しい所も私棗くんのみ」



『大丈夫!?』





私は慌て蜜柑ちゃんの元に行く。
委員長と一緒に蜜柑ちゃんの背中を撫でる





「おい水玉、お前どういうアリス持ってんだ」





蜜柑ちゃんは棗くんに向かって舌を出した。
そしたらまた蜜柑ちゃんは浮いていた…



委員長は真っ青な顔をしてアタフタしている。
私は蜜柑ちゃんを下から眺める…



あ、水玉パンツ見えた。
そう思いながら蜜柑ちゃんのスカートの中を見つめる。

スパッツ履けば良いのに…
あ、短パンでも良いよね。
と、考えていたら周りがザワめき出した。
蜜柑ちゃんも床に降ろされた。





「信じらんない!その子自分のアリスも知らないの!?何でそんな子がこの学園にいるわけ!?おかしいわよそんなの」





それから蜜柑ちゃんとおかっぱカールが言い合いを始めた。
私はその話を黙って聞く…





「私達は選ばれた人間なの使い捨てのいくらでも代わりのきく一般庶民とは人間の格が違うのよ」



「蛍…」





その言葉を聞いた瞬間、私の何かが音を立てて切れた。





『……くせに』



「ど、どうしたの雛ちゃん?」





委員長が怯えながら私に声をかけてきた…
ごめん、委員長…
私、我慢できないよ。





『世間も知らないガキが一般庶民と格が違うとか言ってんじゃないわよ!!』



「雛…ちゃん…??」



『さっきから黙って聞いてれば…使い捨てのいくらでも代わりのきく一般庶民??何それ?あんたみたいなガキが勝手に決めてんじゃなよ!じゃあ逆に聞くけどアリス無かったらここに居る全員が一般庶民と一緒じゃないの!?下手したらそれ以下、違う!?』



「な!何よ!!」



『私はアリスなんて欲しく無かった!!』






気づいたらそう叫んでいた。



本音
涙を流しながらも吐き出す。
"大人気ない"
そう言われても構わない。




20120117



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