恐怖


恐怖
今の私に似合いの言葉。



さっきまであった左手。
私はそれを狂った様に探した…





『どこ…私の左手…どこなのっ』





周りにある死体を退けて手を探す…
けれど、どこにも無い
私は目の前にいる仮面の男を見て





『私の手…どこ…??』





仮面の男は無言だ…
私はまた手を探す。





「…棗、行くぞ」



「…」





黒猫の仮面の子は私をジッと見ていた。
まるで"狂ってる"とでも言いたそうなそんな視線で



私は彼等を見つめる…





『人…殺し…』



「っ」





私の口から出た言葉は救いを求める言葉ではなかった。



私の目は虚ろなんだろう…
なんとなく、そう思う。



急に左手が熱くなった…
まるで焼けているような感覚。





「なっ…」



「………!」





私は熱い左手を見る…





『ぅ…そ…』





左手はゆっくりと再生していた。
真っ赤な右手と違い無くなる前と同じの左手





「…アリスか」





ゆっくり仮面の男が私に近づいてきた。
私はただ近づいて来る彼を見つめるだけ…
まるで金縛りになったかのように





恐怖
私の中でズット鳴っている
"彼は危険"だと…
けれど私は逃げられない。




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