ブレスレット


気持ち悪い。
朝、目が覚めてそう思った。



私はゆっくり起き上がる
ただボーッと床を見つめる…





『………』





昨日のゲロリンが…
とか思い私はティッシュを手に取りゲロリンを拭き取る。





ガチャッ





「おはよう!雛ちゃん!」



『………ノックしてください』





私は嫌なものを見る目で鳴海先生を見た。
鳴海先生は気にもせずズカズカと部屋に入ってきた。



え、なんなの…





「何してるの?」



『え……汚れ拭いてっ』



「…体調悪いの??」



『いや…別に…』





それだけ言って私は肩を掴んでいる鳴海先生の手を振り払った。





『着替えるので出ていってください』



「あ……うん」





鳴海先生が部屋から出たのを確認して私は着替え始める。
まぁ、仮にも心は高校生だからね…





『…』





左手を見る。
…何か前よりキレイじゃない??
なんか…こう…肌がさ…



そう思いながら鞄の中に入っていたブレスレットをつける。



親友とお揃いのブレスレット。
いつも当たり前だと思っていた日常を繋ぐ唯一の証。





『無くさないようにしなくちゃね…』





ブレスレットにそっと触れて、部屋から出た。





「…」



『…』



「じゃあ行こうか…」



『はい…』





朝ごはんを食べずに寮を出た。
授業中にお腹なったらどうしよ…











「僕が呼んだら入って来てねっ」



『は、はい…』





そう言って鳴海先生は教室に入って行った。
初等部B組…
本当に私、初等部に入るんだ…
改めて思うけど…





「それじゃ転校生ちゃん入っておいで」





うっわー!!
鳴海先生なんか変な事、言ったよね!?
中で皆ザワザワしてるよっ!!





「おーいっ」





もう、どうにでもなれっ
そんな思いで教室の扉を押した。





『………ドウモ』





ブレスレット
発音が変なのはしょうがない。
私はたまらずブレスレットに触れた。
…やっぱり鳴海先生キライかも。




20111210



[] []

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -