危険信号


「…どうした?」



『……っ』





"行きたくない"
その思いが強すぎて私は足が竦んでその場から動けなくなった。



ペルソナさんはなかなか着いてこようとしない私を不思議に思ったのか立ち止まりこちらを見た。





『あの…行きたく…ない…です』





体を恐怖が支配している。
何から来る恐怖かは私には分からない…



私は立っている事が出来なくなり、自分の体を抱きしめる様にして座りこんだ。



自然と体が震える。
電車での恐怖とは違う何か…





『…怖いっ』





絞り出した声は思ったより小さくて…
ペルソナさんには聞こえない程の声だと思う。





「…大丈夫か?」



『…』





私は無言で顔を横に振る。



高校生だったのに…
何だか今の私は小学生みたい。


私はグッと体に力を入れ立ち上がる。





『もう…大丈夫です』





真っ直ぐペルソナさんを見つめて私はそう言った。
ペルソナさんは無言のまま建物の方に歩きだした。





ギィッ…





ペルソナさんの後に続いて建物の中に入る。



私はただ黙ってペルソナさんについて行く。










コンコン





「入れ」



「失礼します」



『し、失礼します…』





嫌な場所。
何となくそう思った…



私はペルソナさんの影に隠れるように中に入る…





「君が転入生の真山雛かい?」



『はい…』



「……アリスは?」



『わ…かりません…』



「………」



「"再生のアリス"と…」



「"再生"か……君の星階級はダブルだ、学園については担任に聞くと良い」



『……はい』





嫌な物の正体が分かった気がする。
"彼は危険"
私は椅子に座り私を見下す彼を見てそう思った
"関わったらいけない"
絶対に、彼の傍に行ったらダメ。



私はペルソナさんに手を引かれながら校長室から出た。
ずっと視線を逸らさないで校長を見ていた私はきっと何かにとり憑かれた様だったであろう。




危険信号
再生のアリス。
全てを再生できる…
ただし命以外を対象とする。




20111204



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