鏡
私は仮面の彼に着いて行く。
黒猫くんは私の手を握ったまま…
だからかは分からないが安心する。
『ね…ねぇ…』
「…何だよ」
『名前…教えて?あ、私は真山雛だよ』
「……日向棗」
私は棗くんに向かって笑いかけた。
棗くんはそっぽを向いてしまった…
仮面の彼が止まった。
必然的に私も棗くんも止まる事になる…
「乗れ」
黒い車…
その周りにはボディーガードの様な人達が数名いた。
棗くんは私の手を引いて車に乗り込んだ。
乗りたくない。
そう思ったが"棗くんがいるなら大丈夫"と自分に言い聞かせ乗り込んだ。
私の後に続いて仮面の彼が乗り込んで来た。
『…』
「…」
「…」
車の中では全員が無言。
二人の間に座ってる私としては結構キツイ…
『………アリスって何ですか?』
確かに仮面の彼は私に向かって"アリスか"と言った。
私の中にあるアリスと言う単語は不思議の国のアリスしかない。
まぁ、無言に耐えれなくて聞いたんだけど…
「アリスを…知らないのか??」
『は…はい』
仮面の彼の声音が若干、驚いた感じだった。
もしかして…アリスって常識なの??
私の中で不安がまた1つ増えた。
「…アリスとは―――」
仕方なしに仮面の彼は私にアリスの意味を教えてくれた。
簡単に言ってしまえば超能力の類いと、私は解釈した。
だけど、どうして私がアリス??
私、一般人だよ??
現役、高校生だよ??
「こ、高校生?…お前が…か??」
…どうやら声に出していたらしい。
『棗くん、確かに背は低いよ、150pある??ぐらいだよ?でも一応、高校生だから…お分かり?』
「……鏡あるか?」
「は、はいっ」
仮面の彼がボディーガード的な人に鏡を貰いそれを私に渡した。
「見てみろ」
頭にクエスチョンマークが飛び交っていた私にそう言った。
逆らうのも変だと思い私は鏡で自分の顔を見た
『え…』
そこに写っていたのは私。
だけど顔が…幼くなっていた。
只でさえ童顔だったのに…
鏡には13歳ぐらいの私が写っていた。
鏡
私に何が起きてるの?
私は………
ねぇ、誰か教えてよ…
20111128
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