切原くんお姉さん
条件反射

しばらくそのままの状態でいたら睡魔が襲ってきた。
私は逆らうことなく眠った…
































「…お…おきて…実奈」

『……りんご飴』

「…は?」



間抜けな声が聞こえて私は目を開けた…



「おはよう」

『おはよ…』



雪乃にそう言って起き上がる。
まだ覚醒してないせいかボーッとする


あれ?恵里奈居なくない?
そう思い辺りを見回すが居ない…



『…恵里奈は??』

「ジュース買いに行ったわよ?」

『ふーん…ふぁ…』



欠伸をしながら開けっ放しだった窓を見る



「ああ…窓なら閉めたわよ」

『そ…』

「………実奈」

『ん??』

「新しい学校はどう??」

『……楽しいよ』

「…なら良かった」



2人で小さく笑い合う…
まだそんなに日は経っていないのに懐かしく感じた。



『…みんなは元気??』

「うーん…私達は元気よ」

『??』

「恵里奈の弟達がね…」

『え?』



雪乃は小さく笑ってベッドに座った



「中等部の子達は寂しがってるみたいよ?」

『…ジローくんとか??』

「ええ…」



へー…でもジローくんはお菓子をくれる人が居ないからじゃないかな?
とか思いながら天井を見た。



「まだ眠い?」

『いや…』



雪乃に笑いかけ立ち上がり伸びをする…背骨がボキボキ鳴った。



ガラッ



「愛しの実奈ーーっ」

『黙れ』



勢いよく病室に入ってきた恵里奈…
私は条件反射で手元にあった枕を恵里奈の顔面、目掛けて投げた。


条件反射って怖い…
そう思うのは仕方ない。



「な…なかなか良い当たりやったで…」



そう言って枕を持ちながら親指を立てた恵里奈。
若干、鼻の頭が赤い。


私はため息をついてから恵里奈に笑いかけた



「…元気そうで良かった」

『…心配かけてごめんね』





何だかんだ言っても

離れていても繋がってる…
そう思うのは恵里奈と雪乃が
居るから




20120220
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