切原くんお姉さん


昼食を食べ終わり薬を飲んでからボーッとする


入院するって暇ね…
そう思った私は幸村くんの所へ行くことにした



コンコン
とノックをする。



「どうぞ」


中から返事が返ってきたのでドアを開ける



『…おはよう』

「こんにちはだろう??」

『あ…そっか』



そう言って幸村くんの所へ行く
幸村くんは"ベッドに座る??"と聞いてきたが私は断りパイプ椅子に座った



「…実奈って堅いよね」

『え??』

「…で、何しに??」

『暇だから…』

「そう…」



会話は途切れお互い無言になる。
だけど嫌な空気じゃない…


私は幸村くんのベッドに肘を置いて窓の外を眺めた


今日も良い天気…外に行きたいな。
そう思ったがまだ少し体が怠い

幸村くんに移っちゃうかな…
まあ、大丈夫だよね??
そう思って幸村くんに話しかける



『幸村くんはさ』

「…うん」

『死んだ後ってどうなると思う…?』

「え…?」

『別に深い意味はないよ…ただ幸村くんはどう思ってるのかなーって思っただけだから』

「………何も無いと思う…天国も、地獄も…」

『………そっか』

「実奈は??」

『……私は生まれ変わるって思ってるよ』



アリスで生き返ったからとかじゃなくて、また生まれ変わるって…また逢えるって。



「意外だな…」

『そう??』

「うん…」



成る程…
幸村くんは意外だと思うのか…。
そう思いながらまた空を眺める



「…実奈は空が好きなの??」



不意に幸村くんが聞いてきた。
私は考えた、どうして空が好きか…



『…多分…繋がってるからかな』

「??」

『大切で…大好きな人達と…二度と逢えないけどね…』

「………」



そう言って私は幸村くんに笑いかけた





ふわり

笑う実奈はとても儚い。
今にも消えてしまいそうな…
そんな笑いかた。




20120217
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