切原くんお姉さん
依存

幸村くんを反射的に突き飛ばしてしまった…


幸村くんはベッドからずり落ちている様な格好で赤也と天ちゃんを見つめている。


私は幸村くんに小さく謝りながら手を差し出す。


幸村くんは私の手を取って立ち上がった。



「じゃあ俺達はこれで…」

『うん』

「あ、実奈先輩…」

『ん?』

「………ありがとうございます」

『………』



そう言って一礼して出ていった天ちゃん…


顔が真っ赤だったのは何故??
そう思って赤也を見ると赤也も真っ赤な顔で固まっていた…



『赤也…』

「な、なんだよっ」

『天ちゃんに何かした??』

「!!」



さらに顔を真っ赤に染めた赤也…
本当に何したわけ?



『で?ナニしたの?』

「な、なんもっ」

『絶対??』

「絶対!!」

『…ふーん…天ちゃんを抱きしめたりしたのかと思ったけどなー』



ガタガタガタッ



パイプ椅子に座ろうとした赤也が私の言葉を聞いた瞬間、動揺したのか椅子ごと転けた。


え、本当に??
抱きしめちゃったわけ??
……ウハッ堪んないわっ


私はニヤケながら赤也に話しかける。



『え?どこまでしたの?』

「な、何もしてないって!!」

『嘘つかなくて良いって!』

「ついてねーし!!」

『じゃあなんで動揺したのよっ』

「そ、それは…」

『ん?ん?』



ニヤニヤしながら赤也に追い討ちをかける。



『まさか告白しちゃった??』

「まだしてねーよっ」

『じゃあ何したの?』

「………手繋いで…だ、だだだ抱きしめた」

『へー…』



手繋いだで抱きしめた…
一体どんな状況だったんだろうか。
物凄く気になる…



『近い内に天ちゃんに聞くか…』



赤也に聞こえないよう呟いた。
赤也は手で顔を隠し悶えている。



『あーかやっ』

「…ん?」

『おいで』



そう言って腕をひろげた。
赤也は少し迷ってからギューッと抱きついてきた


今だけは良いよね??
そう思って赤也を抱きしめる。

甘えるのも甘やかすのも今回だけ、赤也に好きな子がいて…
その子も赤也が好きなら…



『もう…最後だね…』



こうやってギューッてするのも、されるのも…


寂しい…
でも私が赤也から離れないと…




きっと最後…

私は赤也に依存してるのかもしれない
だから弟離れするよ…




20120216
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