切原くんお姉さん
雰囲気

『それより赤也達どうする??』

「…大丈夫じゃないかな」

『…ああ』



幸村くんはニコニコ笑いながらそう言った。


幸村くんは分かってるんだなー…
とか思って私は幸村くんの髪をぐしゃぐしゃにしてみた。



「な、何するんだよ!!」

『…聞きわけの良い年下は可愛くない』

「はっ!?」



私の手を掴んでいる幸村くんにぶつぶつ文句を言う。


これじゃ、どっちが年上か分かんないね。なーんて言って幸村くんに文句を言うのをやめた。

幸村くんは何がなんだか分かっていないので困惑している。


まあ、当たり前か…



『幸村くんは赤也に天ちゃんとられても良いわけ??』

「まさか…でも天が傍に居て欲しいと思ってるのは赤也だから…」

『………やっぱり天ちゃんって赤也の事スキなんだね』

「………一目惚れだって」



ハァー
そうお互いに溜め息を吐いた。

やっぱり弟離れしなきゃダメかな…でもなー…



「実奈は彼氏いるの??」

『唐突ね…しかも呼び捨て??』

「良いじゃないか…で?」

『……いないけど??』

「気になる人とかは??」

『いないよ…』

「ふーん…」



聞いといてその反応??
そう思った私は幸村くんにも同じ質問をした



「俺もいないよ…気になる人はできたけど」



そう笑って言う幸村くん…


やっぱり美人だわ。
…私より女らしいな
そう思ってガクッと項垂れた。



「………」

『!!』



何を思ったのか…
幸村くんは私の髪に触れてきた

これは…どうしたら良い??
私はどうしたら良いのか分からない為、取り敢えずこのままの姿勢で居ることにした…



「綺麗な髪だね…」

『………どうも』

「………実奈はいつまで入院してるの??」

『一応、月曜日まで』

「そっか…」

『…退院しても暫くは通院しなくっちゃならないけどね』

「………」

『そしたら遊びに行ってあげるよ』

「うん…」



私はゆっくり顔を上げ幸村くんを見つめる
幸村くんも同じように私を見つめてきた


不意に幸村くんが私の手を掴んだ…
私は体を強張らせたが視線は逸らさない…



ガラッ



「……何やってんスか?」

『あ、赤也おかえりー』

「お、お兄ちゃん!?」

「……やぁ」





突き飛ばした

ドアが開いた瞬間
幸村くんを突き飛ばした。




20120215
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