切原くんお姉さん
理由

運が良いのか悪いのか…
赤也が勢いよく病室に入ってきた。


天ちゃんとお兄さんはいきなり入ってきた赤也を見て目を見開いている。



「ゆ、幸村部長!?そそそれに天まで!!」



ん?
"天まで"??
ちょっと待て、何で赤也が天ちゃんの事を名前で呼んでるわけ??
しかもドモってたし!!


赤也は困惑しているのか挙動不審だ…



「…この人は赤也のお姉さんなのかい??」

「は、はいっ」

「………似てないね」

「お、お兄ちゃん!!」

『…似てなくて悪かったわね』



イラッとして言い方が少しキツくなってしまった。
天ちゃんと赤也は今にも言い争いをしそうな私と…幸村くん?の間にいる。
2人とも顔が真っ青だ…


赤也を見ていたら何だか色々どうでも良くなり私は倒れ込むようにベッドに寝た。



「ね、姉ちゃん!?」

『赤也うるさい』

「はいっ」



ピシッと立った赤也。
何か汗、酷くない??
そう思いながらも幸村兄妹を見る



『うーん…何か用だったの??』

「あ…実は…」



それから天ちゃんにどうして病室に入って来たのか訳を話してもらった。


天ちゃんはお兄さん…
幸村 精市くんのお見舞いに来た。
病院についてお兄さんの病室に向かう途中お兄さんと遭遇。
一緒に病室に向かう事になった…向かっている途中、お兄さんに学校の話をする。
そしてお兄さんが天ちゃんの腕にある痣に気づいた、そしたら急に天ちゃんが私の病室で立ち止まりノックをし今に至ると…



『どんだけ妹可愛いんだよ!!』
「貴方も俺と同じじゃないか!!」



あー…色々めんどくさっ
幸村兄妹そっくりだし…もー…。



『ハァー』



わざとらしくため息をつく。



「ご、ごめんなさい実奈先輩…」

『いや、天ちゃんは全然良いよ』



ガシッと天ちゃんの肩を掴みながらそう言った。


赤也は何か言いたそうにしている…



『赤也、何か言いたい事あるの?』

「あー…その…姉ちゃんはなんで天と知り合いなんだよ…」

『裏庭でサボ…お昼ご飯食べてたら会ったのよ』

「え、今サボ…いや何でも無いっス」



赤也を睨みつけたお陰かドモった。



「…じゃあ天には何もしてないんですね」

『いや』

「は??」

『今日のお昼"あーん"した』

「されちゃった…」

「へー…」



天ちゃんが恥ずかしそうに照れたせいか…"あーん"が気にさわったのか幸村兄は真っ黒なオーラを背にニッコリ笑った





雪乃と同じ??

おー、怖い怖い…
赤也めちゃくちゃ震えてる…




20120212
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