切原くんお姉さん


あの後フェンスを登って教室に戻った。

机の横に掛けてあった鞄を取って下駄箱に向かう。
天ちゃん達はまだ一緒に居るはずだ…



『ゲホッ…』



家に帰らないでこのまま病院に行こう、そう決めて病院に向かった。


さっきから寒気がする。
…これじゃ昔と変わらない。
そう思った…




















『ゴホッゴホッ』



咳き込みながら病院の受け付けに行く。


受け付けのお姉さんに保険証を渡して体温計と紙をもらい近くの椅子に座った。


熱と今の体調を紙に書いていく。
熱は37,8゚
やっぱり風邪かなー…
そう思いながらボーッとする。



『ゲホッ…ゴホッゴホッ』



喉がヒリヒリする。
これは風邪だよね…??
少し不安になりつつも咳を抑えようと頑張ってみた。


あー…飲み物欲しい。
でも自販機まで歩いていく元気ないな…



「大丈夫ですか??」



そう言ってペットボトルの水を差し出してくれた誰か…私は水を受け取り水を飲む


熱っぽい体に冷えた水が流れるのを感じた。
私は水を差し出してくれた人を見た



『あ…こないだの美少女』

「…え?」



美少女は驚いているのか目を見開いている。
私は訳がわからず首を傾げた。



「…俺、男です」



気まずそうにそう言った美少女…否、美少年。



『あー…ごめん女の子にしか見えなかったから』



あはははは
と誤魔化したらまた咳が出た。

彼は咳き込みだした私の背中を擦ってくれた。


あれ…この感じ…
そう思って美少年の顔をまじまじと見た。



『君…妹いる??』

「はい…居ますけど…」



成る程、この子が天ちゃんのお兄さん……そっくり兄妹ね。


美少年は私をジッと見てきた…多分、私を敵視している。
理由はなんとなく分かる。



「切原さーん、切原実奈さーん」



看護師さんに名前を呼ばれた。
私は美少年に130円を渡し"水ありがとう"とだけ言って診察室に入った。



「なんでもっと早く来なかった!!」



診察室に入って聴診器で診てもらった後、何故か先生に怒られた…


私は"すみません"と謝った…
なんで怒られたのかはこないだの検査結果を聞いて分かった





検査結果

入院だけは絶対に嫌です…
嫌って言ったら嫌です!!




20120208
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