切原くんお姉さん
マネージャー

「それにしてもこのメンバーが集まると…」



ミチルちゃんがそう言って千春と天ちゃんの顔を見た。



「全員テニス部マネージャーじゃな…」

「そう…ですね…」



ハァー…
と、3人揃ってため息を吐いた。
因みに丸井くんと仁王弟は次が体育らしく急いで帰って行った。



「そう言えばミチル、実奈の弟が誰か聞いたんか??」

「え…聞いてないけど……まさか…」

「そのまさかじゃ…ここに居る全員テニス部に兄弟がおる」

「………実奈先輩の弟って!!」

『赤也ってテニス部だったんだ…』

「知らなかったんですか!?」

『あー…うん』



ミチルちゃんは"はうっ"と言って地面に寝転がった。
天ちゃんは苦笑い…



『んー…じゃあ皆イジメとかあったわけ??あ、天ちゃんはあるよねー』

「「「………」」」



ズーンと空気が重くなった。
あれ?言っちゃいけなかった??



「まぁ…弟関連で…」

「………まあ、そうじゃな」

「はい…」

『……………』



暗い。
私が聞いたのが悪いけど!!
これは暗すぎるよっ



「実奈先輩がいなかったら私、1人だったかも…」

「確かにそうね…」

「そうじゃな…」



それから3人で何やら語りだした。
私はポケットに入っていた飴を口に含み空を見上げた。


相変わらず青くて何故かムカついた。



『ゲホッ…ゴホッ!!』



急に咳が出た。


私は飴を吐き出してしまった…
勿体ない…


突然、私が咳だしたせいか3人が大丈夫かと声をかけてくる。

数回、咳をしたら治まった。


ミチルちゃんにお茶を渡されそれを飲む。
少しだけ喉がスッキリした。



「大丈夫ですか??」

『大丈夫……大丈夫よ…』



ぎゅうっと心臓が締め付けられた様に痛い。
これは今日中に行かなくっちゃ…



『千春…私、早退するわ』

「あ…う、うん…」

『まあ…風邪だから…多分』

「実奈先輩…」



天ちゃんの頭に手を乗せくしゃくしゃに撫でまわす。


「実奈先輩!?」

『んふふ…天ちゃんは可愛いねー…赤也のお嫁さんにしたいくらいに』

「え!?」



また笑って天ちゃんの頭を撫でる。


千春もミチルちゃんも笑っているけど少しぎこちない。
きっと私のせい…





笑って

悲しい顔は嫌…
お願いだから笑って??




20120207
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