切原くんお姉さん
あーん

あれから、お昼休みまで机に伏したままだった私。


周りからは嫌と言うほど心配された。
案外クラスの子が可愛いと知ったり…


現在はミチルちゃんとの待ち合わせ場所に向かっている最中。


「実奈、大丈夫??」

『大丈夫…天ちゃんに会えば治るわ!!』

「無理じゃろ!!」



千春の鋭い突っ込みを無視する。



「実奈センパーイ」



前からミチルちゃんが走って来た。



『じゃ…行こっか』

「??」

「ま、また行くんか…」



ガクッと項垂れた千春。
ミチルちゃんが汚い物を見るような目で千春を見ている…


千春、どんまい。
心の中で千春に同情?してフェンスまでいく。



「ここ…登るんですか??」

『うん』



私はそう言ってフェンスを登る。
体調が悪いせいか少しフラつく…



『……ゲホッ…早くしないと置いてくよ??』



フェンスから降りて2人に言う。
千春は涙目で"分かっちょる!!"とか言った。
ミチルちゃんは諦めた様に軽々とフェンスを登った。



「よっ……千春先輩まだですか??」



ドヤ顔でそう言ったミチルちゃん…
うん、どっちが先輩か分からないね!


私は千春に早く来るように言って天ちゃんの所に行く。



「!今日も来たようじゃな」

「??千春先輩は?」

「……実奈先輩!」



え、何で仁王弟と丸井くんがいるの?
そう思いながらも天ちゃんの隣に腰を下ろす



「………何であんた達が居るわけ?」

「「………」」



ミチルちゃんの背後から何やら黒いオーラが見えた気がした。
実際、丸井くんと仁王弟は何故かガタガタと震えている


また知り合いかー…
そう思ってお弁当の蓋を開ける。



「実奈先輩ごめんなさい…」

『ん?』

「仁王先輩達もついてきちゃって…」

『良いよ…人数いる方が楽しいし』

「…ありがとうございます」



ふわり、そんな感じて天ちゃんが笑った。
その笑い方は誰かに良く似ていた…


誰だ??
私は必死に思い出そうとする。



「…あーん」

『…あーん』



そう言って差し出された卵焼きを食べた。
………ん?



「……本当に食べよった」

『……………』



どうやら仁王弟に"あーん"をして貰ったらしい。


仁王弟は何か考える素振りをした。
嫌な予感がするのは何故だろうか…



「あーん」

『………あーん』



仁王弟に"あーん"をされ仕方なくやる。
卵焼きを箸に差し口の中に突っ込む。



「あ゛ー仁王だけズリー!!」

「…良いじゃろ」



暫く丸井くんと仁王弟がにらめっこをしていた。


私は気にせずおかずを食べる。


「俺もあーん!!」



そう言って口を開けてじっと私を見てきた丸井くん



『ハァー…』



ため息を吐いて丸井くんの口に唐揚げを突っ込んだ。
丸井くんは嬉しそうな笑顔を見せてくれた


クソッ可愛い!!
とか思ったのはしょうがない。

それから千春が乱入し何故か天ちゃん、ミチルちゃん、千春に"あーん"をした。





賑やかな昼食

私ろくにおかず食べてない…
まぁ、いっか…残すよりは




20120206
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