切原くんお姉さん
掠れる

暫くすると岬先生が来た。


岬先生は私を見るなり目を丸くして
"き、切原!?"と何故か戸惑っていた。


私は岬先生に体調不良だと伝えて1、2限は机に伏して過ごした。



「えー…テスト返すなー」



3限はテスト返し。
私は未だ、机に伏している…
熱が有るのか少しダルい。



「…大丈夫か??」



そう言って岬先生は私にテストを渡してきた。


先生に大丈夫だと掠れた声で言ってテストの合計点数を見た。



『…496…』



496点…2問間違えたかー…
そう思いながらテスト用紙をファイルに入れた。



「嘘よっ!!」



隣のクラスから叫び声に近い怒鳴り声が聞こえた。

クラス中がざわめきだす。



ガラッ



「ちょっと切原さん!?」



私は首だけを動かして呼ばれた方へ振り向いた。


そこには怒りに満ちた双子がいた。
2人はズカズカと私に近づいてきた。



「貴方カンニングしたんじゃないの!?」

『…してないけど』

「嘘よ!!貴方みたいな人がこんな点数取れるなんて可笑しいわ!!」



バンッと机に順位が書いてある紙を叩きつけた。


そこには私の名前が1位の欄にあった…勿論、その下の2位の欄には林 美沙子、林 美和子と書いてある。


双子の本名初めて知った…
そう思いながら紙を見つめる。



「496点よ!?私達だってとった事のない点数を貴女なんかが!!」

「カンニング以外考えられないわよ!!」

『ケホッ…あのさ…勝手に決めつけないでくれる??』

「何よ!まさか実力だって言うの!?」



あー…うるさい。
頭に響いて…頭痛くなってきた…



『…カンニングなんてしてない、テストの点数は私の実力、文句があるならまたテストで勝負すれば良いでしょ??』



少し怒鳴り気味に言った。


双子はまだ何か言いたそうだったがクラスからの視線、千春と岬先生、私の視線に耐えきれなくなったのか早足で教室から出ていった。



『…しんど』



そう言って机に伏した。



「切原、お前最高だよ!!」

「すっげーな切原さん!!」

「切原さんすごいね!!」



クラスの皆からそう言われた。
私は声を出す代わりに手をあげた。





一致団結

皆あの曾孫が嫌いなのね…
まあ、しょうがないか。




20120205
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