切原くんお姉さん
友情

私は仁王弟を背中につけたまま後ろに倒れた。



「グェッ」

「ナイス実奈!!」

『………』



何やら変な声が聞こえたがスルーだ。
私は起き上がり千春に話しかける。



『ったく…千春あんたの弟嫌いだわ』

「大丈夫、私も嫌いだから」

「に、ににに仁王大丈夫かよ!!?」

「ににににに仁王先輩!!!?」



後輩2人を見る。

おー…焦ってる焦ってる!
って少し勢いつけすぎたかな…
まあ、いっか。


私は立ち上がり伸びをする。
バキバキ背骨がなる。



『じゃ天ちゃんまたね!!』

「ブン太、雅治よろしくー」

「は!?」

「実奈先輩またっ」



ひらひらと天ちゃんに手を振ってフェンスを登る。
千春も1回登ったからなのか行きよりも早く登った。



『また置いてくよー』

「ま、待ちんしゃい!!」

『はいはい』



そう言いながら校舎に向かう。
まだ千春が叫んでいたが無視だ無視。



「実奈!!」

『あ、おかえり』

「ただいまー…じゃないわ!!」

『ん?』

「置いて行くとか酷いじゃない!」

『あー、ごめんごめん』

「………」



階段で千春と合流し2人で教室に戻る。
千春は頬を膨らましている。
私は気にすることなく教室に向かう。



「実奈のバカ…」



拗ねた。
プイッと外方を見て頬を膨らましている千春、その姿に私は思わず笑ってしまった。



「…なんじゃ」

『いや、まだ会って3日なのに心開いてくれてるなって思って』

「……実奈は開かなさすぎじゃ」

『ごめんね…』

「……友達で居てくれたらそれでええ。」

『ありがとう千春』



千春を見ると頬を赤く染めていた。
私は嬉しくてまた笑った。





芽生えたばかりの友情
千春、天ちゃん。
新しい私の友人…
恵里奈と雪乃に紹介したいな。




20120131

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