切原くんお姉さん
病院

『もう春だなー…』



今日は春休み最終日。
私は今から金井総合病院に行く…
3日前、咳き込んでから体が少し重いからだ。


因みに昨日、一昨日は赤也の宿題を手伝った。
もちろん自分の宿題は終わらせてある。



『……デカっ!!』



金井総合病院は思ったより大きかった…流石、総合病院。


私は受け付けに行くため金井総合病院の敷地に入った…


病院の中に入ると病院、独特の匂いがした。
受け付けのお姉さんに診察の順番を予約し近くのベンチに座る…


ボーッと周りを見ていたら美少女を発見した。
赤也より天パではないがウェーブのかかった髪の子を…



『…ぁ』



ジッと見すぎたせいかその子と目が合った。


クスッと笑った…
とても儚げで…今にも消えてしまいそうだ。



『ねぇ…』



無意識に私は美少女に声をかけていた。


美少女は少し驚いた表情をしたがすぐに笑顔を作った。


作り笑い。
なんとなく分かってしまうのは私も作り笑いが得意だからだろうか…



「切原さん」

『あ…』



看護師さんに呼ばれた。
私は仕方なしに診察室に向かった。
もちろん美少女にお辞儀をして…


診察室に入って先生に診てもらう。



「…問題はなさそうだけど」



そう言いながら私のお腹を抑えた。



『ゴホッ』



先生は驚いた顔をした。
多分、軽く抑えただけだったからだろう…



「レントゲン撮ろうか」

『は…い』



それからレントゲンを撮ってもらい、来週また来るように言われた。


帰り、病院のロビーを見渡したがあの美少女は居なかった…
次来た時に会えたら名前を聞こうと私は思った。


あの子が気になる。
儚げな笑顔が…作り笑いが…瞳の奥に見えた闇が。





似ている
あの子と私は似ているのかも知れない
理由は只の直感。




20120110
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