切原くんお姉さん
説教

コンビニから家に帰ると赤也が仁王立ちして玄関の前に立っていた。


私は"何?"と、心の中でそう思いながら赤也を見つめていたら赤也が



「何であそこに居たんだよ!!」


叱られた。
私はポカンとした顔で赤也を見つめていたに違いない。



「だいたい何でコソコソしてたんだよ!!」



と、赤也の説教タイムが始まり私はイチゴミルクが入った袋をグッと握りしめた。
それから10分…赤也が溜めていた私への鬱憤をずっと聞いていた。



「―――だから姉ちゃんは!!」
『お前は私の妻か!!』



余りにも長い説教に私はキレた。
だってコンビニからこの間のバッタリ鉢合わせした時の事とか色々言われたら腹立つじゃない!!?



「なっ!!せめて夫にしろよ!!」
「え、問題そこ?」

『「!!!?」』



リビングのドアから顔を覗かせてる母。
私と赤也は母の方を見てパクパクと口を動かす。


"あら、姉弟揃って同じ顔しちゃって"
何て笑いながらリビングに戻って行った母。



「………姉ちゃん、ごめん」

『私もごめんね…』



お母さんの突っ込みの効果かは分からないがお互い冷静になった。



「………」

『………』

「ご飯よー!」



お互い見つめ合って小さく笑う。


私は靴を脱いで赤也の後に続いてリビングに入った。
お母さんはニコニコしながらお皿に料理を盛りつけていた。



『あ…』



手に持っているイチゴミルクを冷蔵庫に入れるためキッチンの方に行く。



「…どうだった?久しぶりの姉弟ゲンカは??」

『………もう』



お母さんはクスクスと笑った後、私にお皿を運ぶように言った。


私は少し顔が熱い気がしたが気のせいだと自分に言い聞かせ、お皿をテーブルに運んだ。





久しぶりの姉弟ゲンカ
今更だけど"せめて夫にしろよ"って…
まあ、赤也らしいけど…




20120107
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