切原くんお姉さん
黙る

『行ってきまーす』



家を出る。
今日は晴れ…空は鬱陶しいぐらいの青空だ。


私は昨日、岬先生に頼まれてテニス部のマネージャーになった…
但し中学生と合同練習の時だけの。



「おはよ」

『おはよう』



千春と合流して学校に向かう。
ちなみに今日はテストだったり…
テストでも丸1日だけど。



「ねぇ、実奈ここ分かる??」

『あー…ここは』



千春に数式の解き方を教えながら歩く。
相変わらず周りは千春を避けている…



『…どうしたの?』

「う…ううん何でもない」

『そ??』



下駄箱で一瞬、固まった千春。
私はまた知らないふりをする…
横目で千春を見る。


千春は下駄箱に入っていた手紙らしき物を急いでポケットに突っ込んだ。



『千春、行くよ??』

「あ、うん…」



若干、千春の顔が青い。
何故??手紙が原因…?
私の中で気になる事が増える…


知りたい、だけど知ってしまったら??
そう思ってなかなか聞けないでいる。


教室につき席に座る。



ブーッブーッ



マナーモードにしていた携帯が震えた。
私は携帯を取り出す。


゙今度泊まりに来ない?゙
そう、雪乃からメールが来た。



「どうしたの?」

『ん…友達から』

「そっか…」



雪乃に空いている日を打って送る。
゙わかった、また連絡する゙
そうすぐに返事が来た。



「………」

『…何??』

「…何でもない」

『………』



ガラッ



「HP始めるぞー」



岬先生が入ってきたので皆、席に戻り始めた。
私も前を向く。


正直、助かった…
今、千春と話したら聞きたい事を全て聞きたくなるから…




「あ、切原と仁王後で話があるから」

『はーい』

「………」



ダルそうに返事をする。
岬先生は満足そうに笑って教室を出た。


今更だけど私、クラスの子とまだ話したことないな…
そう思って後ろを振り向いた。


「ほんっと仁王さんってウザいよね」



耳に入ってきた言葉は何なのか…
理解するのに暫く時間がかかった。


私は周りを見る。
さっきの声は誰の声なのか…
神経を研ぎ澄ます…



『クラスの人間じゃない…?』



じゃあどこから??
そう思った瞬間、教室の外から笑い声が聞こえた。



「いつまでも1人みたいよ??」

「フフフッ良い気味ねー」





真っ青な顔
ふーん…あいつ等が原因か…
少し黙らせようかしらねー…




20120124
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