切原くんお姉さん
何??

あれから天ちゃんと別れた私はフェンスを飛び越え高校に戻った。
私はお弁当を片手にのんびり校内を歩く…


今は5限目が始まった頃かな…
そう思ってまだ行ったことのない図書館に向かう。



ガラッ



『…中々いいかも』



本の数もそこそこ…何より広い。



『第2サボり場発見…』



そのまま奥の方に行く。
奥の方は日の光が当たりにくいのか暗い。



『…夏は良いか』



窓の縁に座って外を見る。
体育の授業なのかサッカーをしている…



『若いって良いねー』



そう言って目を閉じた。


だんだん意識が薄れていく感覚に襲われた私はそのまま眠りに落ちていった。




















「だれ…」

『ン…』

「………2年生」

『だ…れ??』



ゆっくり目を開けた…



『………夢??』



さっきの声は夢だったのかな…
私はまだ覚醒していない脳を叩き起こして周りを見る。


周りには誰もいない…
人の気配もなにも。



『………幽霊ではないわよね』



ツーッと冷たい汗が背筋を伝った。
私はそれに身震いをし急いで図書館を出て教室に向かった。



「実奈ー!!」



ガシッ



『グハッ…ど、どうしたの千春…』



教室に入った途端、千春にタックルされた…
なんだろう…このタックル誰かとそっくり…


私は千春を引き剥がしながら話を聞く。



「今までどこ行ってたの!?」

『え―――』

「まさか浮気!?」

『ち―――』

「もう!!実奈ったらサカッてるんだからっ」

『いや――』

「何なら私が相手する――」



バシッ



『少し黙ろうか…ね?』

「は、はい…」



私は自分の席に座り千春に向き直る。



『私は今まで授業をサボってただけ』

「はい」

『別にサカッてないし、そもそもヤる相手もいない!!』

「は―――」

「なら俺が相手しようか??」



急に耳元で声がした。
私は思わず声のした方を振り向いた



「何??キスする?」

『全力でお断りします…』

「それは残念…」



そう言って岬先生は教卓の前に立った。
私も後ろ向きだった体を前に向ける…



「じゃ、HR始めるぞー」





油断大敵
あぶっねー…
後少しで唇が触れる所だったよ…




20120122
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