切原くんお姉さん
美少女

『ダメ??』

「…別に良いわよ」



その言葉を聞いた私は笑って踞っている女の子に近づく。



「あなたも…」

『………』



私は無言で女の子の前に座る。


『痛い??』

「………」

「ちょっと、何やってるのよ!!」

『……何だと思う??』

「は―――」



ガッ



私は一番化粧の濃い子の足に自分の足を引っかけ躓かせた。
彼女は見事、足に引っ掛かり転んだ。
後ろについていた2人は慌てて転んだ子を立たせた、立たせてもらった彼女は涙目で今にも泣きそうな顔をしている。



『ごめんね…足が出ちゃった』
「っ!!」



最高の笑顔でそう言ったら彼女達は怯えた表情をした。



『イジメは駄目よ??…特に私の目の前では…わかった??』

「は…い…」

『そう…なら良かった』



彼女達は逃げる様にして私の前から去って行った。
私は目の前女の子に視線を向けた。



『大丈夫??』

「うん…」



女の子に手を差し出す。
だけど女の子は手を掴まないで自分の力で立ち上がった。



『…名前は??』

「あなたは??」

『切原 実奈』



「…幸村 天」



天ちゃん。
よく見ると美少女だと分かった。


これだけ可愛いと女子は僻むよね…
そう思って天ちゃんの制服についている砂を払う。


私が天ちゃんに触れたらビクッとした。



『…あっち行こうか』

「……え」

『先生に見つかったら色々とヤバイからね…』



無理やり天ちゃんの手を引いてさっきいた茂みに隠れた。



『あ…血が出てる』



そう言って天ちゃんの足に絆創膏を貼った。
絆創膏は昨日ポケットに入れたやつだ。


勝手に絆創膏を貼ったからなのか理由は分からないが睨まれた。
私は苦笑いしながら頬を掻く。



『…直球で悪いけど何でリンチされてたの??』

「本当に直球ですね」

『遠回しに聞かれるより良いでしょ?』

「……私、男子テニス部のマネージャーやってるんです」

『うん』

「マネージャーって言っても私以外にも後1人いて…その人も私と同じで呼び出しとかある…みた…ッ」



そう言って涙を流す天ちゃん。


私は黙って天ちゃんを抱きしめた。
天ちゃんは私にギュッとしがみつく様にして泣きはじめた。





可愛い少女
゙よく頑張ったね゙
そう言って頭を撫でた。




20120120
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