切原くんお姉さん
いつもの

野菜を洗っていたら赤也が帰ってきた。



「今日なに??」

『スパゲッティ』

「ふーん…」



それだけ言って赤也は2階に行った。
その時ケータイのランプが点滅しているのに気がついた。


濡れている手をタオルで拭いてケータイを開く。


"今日別れたあそこに8時で良い??"
そう千春からメールが来ていた。


"分かった、また明日ね"
そう素早く打って送信ボタンを押してケータイを閉じた。


そろそろ茹で上がるであろうパスタを一本取り食べる。



『ちょうど良いかな』



火を止めてザルにパスタを流し入れる。
ソースはレトルトだ。


さっと水で洗ってまた水を切る。
お皿にパスタを盛り付けてレンジで温めたミートソースをかけてテーブルに置く。


サラダは大皿に盛り付ける。
粉チーズとマヨネーズ、ドレッシングをテーブルに置いてからお茶を持ってくる。



「ただいまー!!」

『おかえり』



お母さんが上機嫌で帰ってきた。
片手に何やら紙袋を持っている。


無意識にその紙袋に視線がいってしまう。



「あ、今日はスパゲッティね!!」

『…あ、うん』

「??…あ、これ?」



お母さんは紙袋を開けて中身をテーブルの上に置いた。



『マカロン??』

「そ!!店長に貰ったのよ!!」



なるほど。
だから上機嫌なのか…


お母さんが上機嫌な理由を知りスッキリした私はマカロンを冷蔵庫に入れてイスに座る。


お母さんは鞄を床に置いてキッチンで手を洗ってからイスに座った。
赤也はバタバタと階段を降りてきた。



「できたんなら呼んでくれよ!!」

『あーハイハイ…』



そう適当にあしらった。



「いただきます」

『「いただきます」』



それから何時もの様に1日が終わった。





変わらない夕飯
家族がいるから幸せ。
そう思うのは前世の影響かな…




20120117
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