切原くんお姉さん


なんだかテンションが下がってしまって。
私は雪乃の部屋で寝転がった。



「どうしたん?眠いん?」

「…恵里奈」

「ん?」



私はボーっと天井を見つめる。
ただ見つめるだけ。



『…恋か』



したいな…
まあ、無理だけど。
あいつ以上に想える人は中々居ないだろうし…


むくっと起き上がって何となくドアを見た。
私はチラッと覗いてる鳳弟がいてビクッとしてしまった。



「あら?」

『……やっぱり雪乃の弟怖いわ』

「そう?」



鳳弟はヒラヒラと手を振ってドアを閉めた。


私はフーッと息を吐いてまた寝転がった。
雪乃はそんな私を見てクスクスと笑っている。
恵里奈はナゼか部屋の隅でのの字を書いていた。



『……何やってんの??』

「雪乃が部屋の隅でのの字書け言ったんやもん」

『あっそう…』

「……グスン」

『「キモッ」』

「……なんでやねん!!」



それから恵里奈を弄り倒して笑っていたら18時になっていた。


『あ、私もう帰るね』

「あ、私も帰る」

「なら駅まで送るわ」

「『ありがとう』」



空を見ながら駅まで向かう。
3人共無言…
ただ空を見つめるだけ。



「実奈」



不意に名前を呼ばれ立ち止まる。



「はい」

『??』

「誕生日プレゼント…今年から学校で渡せなくなるから」

「あ、私からも…」

『…ありがとう』



2人からプレゼントを貰い改札口に入っていく。
チラッと後ろを見るとニコニコと笑っていた。


私は2人に小さく手を振ってホームに向かった。





心許せる友達
あ、これ欲しかったやつだ…
…………なんだこれ




20120103
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