切原くんお姉さん
にっこり

それから3人で弟の事を話す。



「あ、侑ちゃんがまた泊まりに来て言うといてやってー」

『夏休みに行くっておばさん達にも言っといて』

「おん…」

「…実奈って家に泊まった事ないよね?」

『…私はあんたの弟とは気が合わない気がするからパス』

「そ?長太郎は実奈の事気に入ってるみたいよ?」

『マジデスカ…』

「何で片言なん??」

『マア、気ニスンナ』

「「………」」

「実奈の弟ってどんな子なん?今更やけど」

『私の癒し』



真顔でそう言ったら恵里奈が床に両手をついた。


アレだよ…
ガーンって効果音がつく体制…
とりあえず私は冷たい目で恵里奈を見つめる。
その時フと視線を感じて雪乃の部屋のドアを見たら…


にっこり
と、笑って立っている鳳弟がいた…


私は鳳弟と目があったまま固まっていると雪乃が部屋のドアを見た。



「あら、お帰り…早かったのね」

「うん、跡部部長に頼んで早退させてもらったんだ…」

「そう…」



チラリと鳳弟に見られ私は何故かゾワッとした何かを感じた…



「実奈さんも恵里奈さんもゆっくりしていって下さいね」

「うん!ありがとう!」

『ありがとう…』



最後にまたニコッと笑ってドアを閉めた…


私は力が抜け、崩れるように床に倒れた。
恵里奈は何も感じなかったのかニコニコしながらお菓子を食べている。



「…本当に実奈は皆に好かれるわね」

「あ、それは私も思う!!」

『…………』

「何で無言??」

『うっさい、恵里奈のバカ』

「え!?」

『…雪乃の弟は怖いよ』

「……まあ、実奈だけでしょうね」

『何が??』

「長太郎に何かを感じるのは…」



鳳弟とそっくりな笑い方で私の髪を撫でる雪乃…
くそっ…美人には悪態つけない!


そう思いながら私は恵里奈の痺れている足を突っついた。





ざまーみろ
おぉ…悶えてる悶えてる
恵里奈は美人だけどバカだからなー




20111228
|39/139|


TOP