切原くん家のお姉さん
嫌な予感
背中に赤也を引っ付けたままフードコートに向かう。 まだ12時前だけどね…
『赤也いい加減離れて…歩き辛い』
「…はーい」
背中から離れた赤也は私の手を取りニコニコ笑った。 私もつられて笑う。
『なに食べる?』
「ハンバーガー食べたい」
『じゃあ先席とろっか…』
周りを見る。 まだお昼前だからか人が少ない。 私達は適当に近くの席に座る。
「兄ちゃん!!ここ座ろっ」
「早くー!!」
「分かったからそんなに引っ張るなって!!」
何となく隣に座って来た兄弟を見る。 ……赤髪。
不良か?? とか思って見ていたら目があった。
「あ゛ーっ!!」
「『!!!?』」
赤髪少年は私達… 嫌、赤也を指さして叫んだ。
「ま、丸井先輩!?」
『…え、誰』
赤也は何故か顔を真っ青にして赤髪少年を指さした。
ん?丸井?? どっかで聞いたような…。
「あ、赤也…おぉぉ前!!かかかかっ」
何となく嫌な予感がした。 赤也もそう感じたのか私の腕を掴んでフードコートを走って出た。
『ちょ、何で逃げんのよっ』
赤也にそう言うが聞いてくれない。 そのまま走って雑貨屋に入った。
『……』
「………」
無言で赤也を睨む。 赤也は私に睨まれているせいか涙目になっている。
『何で走ったの…』
「……なんか嫌な予感がしたから」
『…ハァー』
「………」
まったく。 そう言って赤也の頭を軽く叩く。
赤也は不服そうだが知らない。 私は赤也の腕を引っ張ってゲーセンに向かう。
「ね、姉ちゃん!?」
『プリクラ撮ろうか』
そう言ってプリクラ機に入る。
初めてのプリクラ 初めて姉弟でプリクラ。 うーん…背景どうしよ…
20111213
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