切原くんお姉さん
脱け殻

恵里奈を引きずったまま校門に着いた。



「なあ、実奈ー」

『んー??』

「何で帰るん?」

『……弟に会いたくなった』

「ブラコンか!!」



別に良いでしょ!?
そう思いながら駅に向かう。


恵里奈はブツブツ言いながらついてきた。



『ドコまでついて来る気??』

「……えへっ」

『殴るぞコラ』

「冗談やて!!…駅まで見送ろう思っただけやん」

『あっそ』

「何や?まさか照れてるん!?」

『違うって…まあ、ありがと』
「………実奈かわええ!!」



ギュッ
と抱きついて来た恵里奈。


まだ3月…
後1週間で4月。



「実奈は新学期まで何するん??」

『家事と宿題かな』



それって引きこもりじゃ…
とか恵里奈が言っていたがスルーだ。


4月になったらこうやって恵里奈と会うことも少なくなるんだろう…
そう思ったら急に寂しく感じた。



『来週は3人で遊ぼうか…』

「……うん!!」



2人でそう言って笑い合った。



『じゃ…』

「また来週な!」

『ん…』



そう言って私は改札口を通ってホームに向かう。


ホームについて私は電車が来るまでボーッと過ごした。


5分経ったぐらいに電車が来てベンチから立ち上がり電車のドアが開くのを待つ



「愛してるで実奈ちゃ」『若くーん!!』



『もしもし?』

《切原先輩?》

『私のケータイだからね』

《それもそうだな…》

『で?どうしたの?』

《あ、ああ…実はさっきから跡部が変なんだよ…》

『は?』

《先輩が帰ってから抜け殻みたいに…ちょっ返せよ侑士!!》

《あ?実奈ちゃんか??》

『あ、うん』

《実奈ちゃん跡部に何かしたん?》

『んー……あ、もしかしたら帰り相手にしなかったかもしれない…』

《あー…なら後で跡部にメール送ってくれへん?そしたら生き返るやろ》

『わかった…送っとくよ』

《ん、ほな》

『ん、またね』



電話を切って私は急いで電車に駆けこんだ。
空いてる席に座って早速、跡部に送るメールを作った。





相変わらず格好よかったよ
まあ、これなら良いよね…
…向日くん私の番号知ってたんだ




20111201
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