切原くんお姉さん
通帳

お母さんと楽しくしょうが焼きを食べた後、お風呂のお湯を沸かしまたソファーでくつろぐ。
お母さんは鼻歌を歌いながら洗い物。



『あ…』



私はすっかり忘れていた事を思い出し2階へ向かった。
鞄から自分の通帳を取り出して1階に戻る。


トントントントン
と、リズム良く階段を降りていく。



「ただいまー」

「お帰りー!!」



赤也が帰ってきた。
私はドアノブを回してリビングに入った。



「あ、姉ちゃんただいまー」

『お帰り』

「…え、姉ちゃん怒ってる?」

『…気のせいよ』



笑って言う。
張り付けた笑みのままお母さんに通帳を渡した。



「……ホ」



お母さんは私から通帳を受け取り中を見たら変な声を出した。
ホって何だホって…



「あ、あんた…こんなに稼いだの!?」

『いや、普通じゃない?』

「いやいや…中々こんなに貯まんないからね!?」

『…私、使ってないし』

「ああ…」

「……フォッ」



今度は赤也が変な声を出した。
つか私の通帳勝手に見るなよっ



「え…姉ちゃんこんなに金あんの!?」

『うん』

「ゲーム買って!!」

『誰が買うかっ』

「ケチ」

『あ゛?』

「スイマセン、ジョウダンデス」

『なんで片言?そもそも謝る気無いでしょ』

「あ、バレた?」



その言葉にイラッとして赤也の足をおもいっきり踏んでやった。



「い゛っ」

『フンッ』



痛がっている赤也を尻目に私はソファーに寝転がった。
お母さんは笑いながら赤也を慰めていた。


赤也は若干涙目…
ちょっとやり過ぎたかな?





我が家のコミュニケーション

…後で赤也に謝ってこよう。
こ、後悔とかはしてないから!!




20111004
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