切原くんお姉さん
握り潰す

ソファーに座って赤也を待っていたら赤也から電話がきた。



『もしもしー』

《あ、姉ちゃん?今から先輩と夕飯食べる事になったから!》

『…は?』

《ぉぃ――今いくっす!じゃっ!》



ブッ…

ツーツー…



『………』



私は黙ったままケータイを見つめる。



『フフ………フハハハハ!!』



笑ながらケータイの電源を落とし、ソファーから立ち上がりキッチンへ向かう。
冷蔵庫から肉を取り出して…



グチャッ
と、パックごと握り潰した。



『フー……すっきりした』



私は何事も無かったかの様に肉を焼きはじめる。
肉は焼いちゃえば変わり無いからね!!
気にしたらダメだよっ



『今日は1人で夜ごはん…』



寂しいとか何とか思ったけど…まあ…ね。


黙々とごはんを食べる。
お母さんそろそろ帰って来るかな…



「たっだいまー!!」

『…お帰りお母さん』

「ただいまあーって赤也は?」

『先輩と夕飯食べるって』

「ふーん…おっ!!しょうが焼きじゃない!!」

『自分で焼いてね』

「え゛!?」

『…え?』

「…わかったわよー」



鞄を床に置きキッチンに行く母。
冷蔵庫から肉を取り出して……


「何でこんなにグチャグチャなの…?」

『…なんでだろうね』



私は笑顔で答えた。
お母さんは苦笑いしながら肉を焼き始めた。


ジューッと、言う音。
うーん…ごはんが進むねー





やっぱり夕飯は誰かと食べた方がうまい。

赤也とかマジ知らね!
当分ゲーム禁止にしてやろっ




20111003
|14/139|


TOP