切原くんお姉さん
弱点

電車に乗り、色々考えていたら日曜日に病院に行かなきゃならないと気付いた。


え、ミチルと約束しちゃったよ…でも病院行かなきゃ…
私はどうしようと悩んでいたら"明日行けば良いんじゃないか?"と言う結論に行き着いた。


私は早速、幸村くんにメールを送った。
内容は普通に"検査しに行くから会いに行くね"みたいな感じ。


幸村くんからの返信を待っている間に駅に着き、私は改札口を出て家へ向かった。



『ただいまー』



そう行って自分の部屋に行き鞄を置いて制服から部屋着に着替える。
時間割りは朝で良いかと思い少し遅い夕食を作る為1階に向かう。


マカロニサラダが食べたい…
そう思った私はマカロニサラダと手羽先を作る事にした、手羽先に関しては揚げるだけ。



「ただいまー」



手羽先を揚げ終わった頃に赤也が帰って来た。



『おかえりー』

「あれ?母さん達は??」

『まだだよ』

「ふーん…」



それだけ言うと赤也は2階に行った。
私は手羽先とマカロニサラダを盛ってあるお皿をテーブルに持っていく。



「だだいまー!!」

『お帰りー』

「あ!!実奈ちゃん!!」

『な、何…』



お母さんはニヤニヤしながら私に近寄って来た、何だかお母さんの笑顔が気持ち悪い。



「じゃーん!!誕生日プレゼントよ!!」

『………え』



お母さんはそう言って紙袋を私に押し付けた。
どうしてだろう…この中身を見るのが怖い。



「開けてみて!!」

『………これは!!』



紙袋の中には私の嫌いなフリフリの服が入っていた。



「今回は黒よ!!」

『いやいやいや』

「着てね!!」

『着ない!!』

「えー…ゴスロリよ!!」

『知るか!!』



私は服を紙袋に戻しお母さんに返した。



「着てよー…ねぇー」

『い や で す!!』

「……何が?」

「丁度いい所に!!」



お母さんは紙袋から服を出して赤也に見せた。


何故だろう、嫌な予感しかしない。



「実奈ちゃんが着てくれないのよ!!」

「………」

『………』

「せっかく赤也とお母さんとお父さんと選んだのに…」



グサッと何かが刺さった。
いや、うん…何となく予感はしたけど!!
私はお母さんに反論しようと口を開いた。



「着ろよ、姉ちゃん」

『………無理』

「何で?」

『フリフリ嫌い、私に似合わない』

「似合うって!!」

『無理!!』

「着ろ!!」

『命令系!?』

「着てくださいお姉さま!!」

『何キャラ!?』



何回か赤也と言い合い結局、私は赤也に負けた…惚れた弱みとは違うが負けた。



「流石ね赤也!」

「だろ?」

『もうイヤだ…』



そう言って私はソファーに倒れ込んだ。


最後の最後に"お願い…お姉ちゃん"なんて言われたら折れるしかないじゃない。
畜生…お母さんとの作戦だったのか。



『バーカ』



そう言ってご飯の用意を放棄した。





お姉ちゃん

私の弱点はきっと赤也だ。
クソ"お姉ちゃん"何て久しぶりに
言うなよな…




20120425
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