切原くんお姉さん
懐かしい

あの後、ミチルと別れて私は千春と教室に戻り何時も通り授業を受けた。


授業もHRも無事終わり私は鞄を持ち早足に下駄箱に向かう、千春には"急用が出来たから今日は1人で帰ってね"とHR前に言っておいた。



『…10分で着ける…かな?』



携帯で時間を確認して私は小走りで駅に向かった。























『ま、間に合…った!!』



何とか間に合い電車に乗り込んだ。
久しぶりに走ったからか呼吸が乱れている、深呼吸を数回繰り返してから電車の座席に座った。


今の時間だと部活が始まったぐらいかな??
そう思いながら窓の外を見た。



《次はー》



アナウンスが流れ私は立ち上がりドアの前に移動する。
下校時刻だからか駅には高校生が沢山居た。


うわー…とか色々思っていたらその集団の前に電車が止まった。


うん、さっさと行こう。
そう決心してドアが開いたと同時にそそくさと改札口に向かった。



「え、切は」



そんな声が聞こえたが私は無視して改札口を出た。


集団の高校生恐い。
絶対、口にしないけど。



『うーん…』



無事、氷帝に着いた。
だけど、これからどうしよう…若くんに会うのを目的に来たが跡部くんと侑士くんには会いたくない。


どうせ恵里奈の家に泊まりに行ったら会うだろうし。


"うーん"と校門で唸っていたら見覚えのある少年が此方を見て固まっていた。



『宍戸くーん!!』



そう言って、走って行ったら宍戸くんはビクッと肩を揺らした。



『春休みぶり』

「…どうも」

『ねえ、若くん居る??』

「居るんじゃないっすか??」

『……跡部くんは??』

「今日は生徒会行ってから来るって」

『ほー…んじゃ一緒にコート行っても良い??』

「あー…はい」

『ありがとー』



宍戸くんに最近の出来事を聞きながら一緒にコートに向かう。
途中、向日くんも合流した。


向日くんが加わったからか食べ物の話しになった。
新しいお菓子がどうのやら、食堂の料理の味が変わったやらを話して居たらいつの間にかコートに着いた。



『わっかしっくーん』



そう若くんに向かって手を振ったら、この前と同じように嫌な顔をされた。


私は苦笑いしながら手を振った、向日くんと宍戸くんには"ありがとう"と言って別れた。



『うはー…相変わらずファン凄いな』



だけど今日はまだ少ない方かな…跡部くんが居ないから。
私は邪魔にならない様、木陰に行き若くんが良く見える位地に腰を下ろした。





懐かしい風景

懐かしいな…
あ、侑士くん発見




20120421
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